東京都が発表した「都内企業における兼業・副業に関する実態調査」結果(有効回答数2879社)によると、兼業・副業の制度・内容についての関心の有無は、「大いにある」が3.8%、「ある」が40.9%と、半数近くが兼業・副業の制度・内容についての関心を持っていることが分かった。従業員の兼業・副業については、「全面的に認めている」が6.3%、「条件付で一部認めている」が28.6%となっており、約3分の1の企業が認めている。
従業員の兼業・副業を認めている企業の社内手続きとしては、「届出のみ」が29.5%、「届出と審査を実施」が25.7%、「届出なし」が34.6%などとなっている。従業員の兼業・副業を認めている理由(複数回答)としては、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が38.7%で最も多く、「人材の定着(離職率の低下)」が37.8%、「従業員のモチベーション向上」が35.2%とほぼ肩を並べ、「働き方改革の促進」が28.7%と続いている。
従業員の兼業・副業を認めている企業における効果については、「あった」が6.6%、「ややあった」が26.4%で、効果を認めているのは約3割となっている。従業員の兼業・副業を認めている企業の効果の内容(複数回答)としては、「人材の定着(離職率の低下)」が38.1%と最も多く、「従業員のモチベーション向上」が32.6%、「柔軟な働き方による優秀な人材採用」が27.3%と続いている。
課題・問題点(複数回答)は、「従業員の健康管理上の問題」が41.2%、「社内業務への支障」が40.3%と多く、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」が34.7%、「従業員の労務管理上(労働災害等)の問題」が23.3%、「会社のノウハウや機密情報の流出」が22.8%。今後の方針としては、88.8%が「現状を維持する」と回答し、「制度をさらに拡充する」が3.3%、「制度を見直し縮小する」が1.6%となっている。
一方で、従業員の兼業・副業を認めていない企業のその理由(複数回答)は、「本業が疎かになる」が67.7%で最多、「業務への支障」63.8%、「従業員の健康管理上の問題」50.9%、「従業員の労務管理上(労働時間・給与管理等)の問題」45.7%などが続いた。今後の方針は、「当面取り組む予定はない」が66.3%と最多、「従業員の意向によって検討する」が22.4%、「地域や他社の動向を見て検討する」が12.7%などとなっている。
同調査結果は↓
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/04/28/05.html