中小企業の「廃業検討率」、前月比悪化の7.8%

 帝国データバンクがこのほど発表した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」結果(有効回答数9812社)によると、コロナ禍の収束が長引いた場合、「廃業」(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性は、「ある」が6.8%、「ない」は93.1%だった。「ある」は前月より0.9ポイント悪化。規模別では、大企業で「ある」は1.4%にとどまるのに対し、中小企業では7.8%で、前月より、それぞれ0.5ポイント、1.0ポイント悪化した。

 廃業を検討する可能性が「ある」と回答した企業を業種別にみると、構成比が最も高かったのは、「その他の生活関連サービス業」の36.7%。以下、「宿泊業」の32.3%、「飲食店」の30.3%、「道路旅客運送業」の30.0%と続く。廃業を検討する可能性が「ある」と回答した企業のその検討時期は、「1年以内」は36.8%だった。大企業の「1年以内」は36.8%、中小企業も36.8%だった。

 新型コロナウイルスの発生が企業活動に及ぼす影響の状況については、最多は「影響が継続している」で70.1%。一方、「影響が出たがすでに収束した」は9.5%だった。規模別でみると、「影響が継続している」は大企業で78.2%に対し、中小企業は68.7%と10ポイント近い差があった。また、今年3月の売上高については、「100以上」(増収)は、40.6%で、59.3%が前年割れ(減収)だった。

 3月の売上高が前年同月と比べ半減した企業を業種別にみると、旅行や葬儀、結婚式場、劇場などを含む「生活関連サービス業,娯楽業」が24.3%、以下、「宿泊業」15.3%、「飲食業」14.0%と続く。また、コロナ禍前の2019年3月を「100」として比較した場合の売上高は、「100以上」(増収)は33.1%で、約7割が減収。規模別では、大企業の61.1%、中小企業の67.6%が減収。業種別では、「宿泊業」の64.1%が売上高「50」以下だった。

 新型コロナウイルスに関連した、国や自治体、金融機関の各種支援策を「利用した」は59.8%。「今後利用する可能性がある」は5.4%で、合計65.2%の企業が利用について言及。利用した支援策(複数回答)は、最多が「民間金融機関の実質無利子・無担保融資(信用保証付き)」で54.5%。以下、「持続化給付金」の49.8%、「雇用調整助成金」の48.7%、「日本政策金融公庫による実質無利子・無担保融資」が36.7%と続く。

 同調査結果は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210422_03.html