4月の緊急事態宣言後の平均残業時間約7.5時間減少

 パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、20~59歳のビジネスパーソン1万5000人を対象に実施した「職種別の残業時間の実態調査」結果によると、2020年4~6月の全職種1万5000人の1ヵ月あたりの平均残業時間は20.6時間となった。緊急事態宣言前の同年1~3月の平均(28.1時間)と比べると7.5時間短い結果となった。なかでも「営業」系の職種の多くで残業時間が大幅に減少している。

 コロナ禍で残業時間が最も大きく減少したのは「基礎研究」(18.3時間減少)、次いで「コンサルタント」(17.4時間減少)、3位に「技術営業」(17.0時間減少)。そのほか、残業時間が減った職種TOP20の中に多くランクインしたのは営業系の職種だった。営業系の全16職種の残業時間は2020年1~3月の期間と比べると、月平均で8.9時間減少しており、全体平均の7.5時間よりも大きく減少している。

 残業時間が少ない職種ランキング1位は「営業事務アシスタント」で9.2時間。2位は同じく事務/アシスタント系の「医療事務アシスタント」(10.7時間)。ほかにも5位に「一般事務アシスタント」(12.7時間)、6位に「経理/財務事務アシスタント」(13.2時間)など、上位20職種のうち半分の10職種を事務/アシスタント系が占め、この傾向はコロナ以前の1~3月でも同様に見られ、この職種は安定して残業時間が少ないことが分かる。

 さらに、6位に「店舗/施設管理/店舗開発」(13.2時間)、11位に「旅行/宿泊/ホテル/冠婚葬祭関連職」(14.8時間)、13位に「販売/接客/売り場担当」(15.3時間)と、「販売/サービス」系の職種が上位にランクインした。この背景には、緊急事態宣言下における飲食店などへの営業自粛要請の影響があったとみられる。また、2020年4~6月に残業時間が多かった職種TOP20の1ヵ月あたりの平均残業時間は27.5時間だった。

 緊急事態宣言前である同年1~3月の37.2時間から、▲9.7時間と大幅に減少した。残業時間の多いランキングの上位には、「エンジニア」系、「営業」系、「クリエイティブ」系の職種が多く並ぶが、コロナ禍により、これらの職種についても残業時間の減少が大きかったことが分かる。残業時間が多い職種ランキング1位は、「教育/スクール」(38.6時間)で、2位は建築/土木系エンジニアの「施工管理」(36.9時間)となった。

 同調査結果は↓

https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/research/2021/20210329_01/