新入社員は「仲間が恋しい ソロキャンプタイプ」

 産労総合研究所は、このほど、「2021年度新入社員のタイプ」を発表した。これは、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者等から成る「新社会人の採用・育成研究会」が、同所調査の「2021年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」や2021年度の採用・就職支援活動等を踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたもの。2021年度新入社員を「仲間が恋しい ソロキャンプタイプ」と命名している。

 今年の新入社員は、新型コロナ感染拡大の影響を受けて状況が一変するなか、不安で孤独な就職活動を行うこととなった。初めてだらけのソロキャンプのように、まごつくことも多かったが、気持ちを切り替え、工夫し、たくましくなった。自由さ・気楽さという魅力に気づいた人もいる。一方で、仲間への恋しさも募っている。社会に出てからは、自分の時間も楽しみつつ、いろいろな人々と知りあい仲間づくりをしてほしい。

 この春、大学を卒業した新入社員の就職活動は、政府による日程ルールが提示される初年度だった。3年生夏頃からのインターンシップは、従来どおり実施されていたが、広報活動が始まる3年生の2月以降は、新型コロナ感染拡大の時期と重なり、その影響を大きく受けた。就職内定状況の数値は89.5%(2月1日現在)と、過去と比べるとそれほど悪い数値ではないが、希望業種の変更など内実は厳しかったのではないかと思われる。

 2020年2月頃より、新型コロナ感染拡大に伴って、就職イベント、選考が中止・延期となり、オンラインでの選考に切り替える企業が増加した。2020年春までに実質的な就職活動を終えていた学生にはあまり影響がなかったが、大多数の学生は、準備期間なく、就職イベント、選考(説明会、試験、面接等)のスケジュール変更、オンライン変更への対応に直面することになった。募集数の減少により志望業界の変更を迫られた学生もいた。

 このように、前年と様相が一変し、先行き不透明な就職活動に直面するなかで、学生たちは、不安にとらわれ、孤独・孤立を感じることとなった。モチベーション維持が難しく、なかには、就職活動を中断、休止する学生もみられた。一方、気持ちを切り替えて、オンライン面接に積極的にトライし、次第に慣れ、どのようにアピールするか工夫を重ねていった学生も多くみられ、就職活動への取組みの二極化が、さらに顕著になったといえる。

 この件は↓

https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_2103.pdf