マイナビがこのほど発表した「2021年2月度正社員の平均初年度年収推移レポート」によると、2月の全国平均初年度年収は、454.0万円(前月449.4万円、前年同月441.6万円)で前月から1.0%(4.6万円)の増加、前年同月から2.8%(12.5万円)増加した。また、掲載求人の募集条件をみると、経験者求人の割合は36.0%で前月比1.3ポイント増、前年同月比11.8ポイント増となった。
経験者求人の割合は2020年平均と2019年平均を比べると9.8ポイント増加しており、2020年は経験者求人が大きく増加。しかし、2020年2月以降を1ヵ月単位で比較すると、経験者求人比率の伸びは2020年8月以降緩やかになっている。前月に比べると経験者求人の割合は増えているものの、企業が即戦力を求める傾向は徐々に弱まってきており、未経験者を採用する企業の割合が戻ってきているとみられている。
業種別に平均初年度年収をみると、「コンサルティング」が最も高く518.6万円、次いで「金融・保険」が514.1万円、「IT・通信・インターネット」が511.8万円。掲載求人の中で経験者求人の比率が最も多かった業種は「IT・通信・インターネット」で58.3%、次いで 「メーカー」で42.2%、「マスコミ・広告・デザイン」で39.6%、「コンサルティング」で39.4%、「不動産・建設・設備」で38.4%などとなった。
職種別に平均初年度年収をみると、「コンサルタント・金融・不動産専門職」が最も高く574.2万円、次いで「ITエンジニア」が546.2万円、「建築・土木」が502.8万円。掲載求人の中で経験者求人の比率が最も多かった職種は「ITエンジニア」で73.8%、次いで「WEB・インターネット・ゲーム」で62.0%、「電気・電子・機械・半導体」が55.6%、「建築・土木」が51.9%などだった。
当月の平均初年度年収が最も高かったコンサルティング業界の初年度年収を年間平均でみると、2018年平均(469.4万円)から2020年平均(524.4万円)で初年度年収は11.7%(55.0万円)増加した。 経験者求人比率は、2018年平均(23.3%)から2020年平均(34.9%)で10ポイント以上増加している。一方で、未経験求人の平均年収に関しては、2018年平均(445.5万円)から2020年平均(507.5万円)で13.9%(62.0万円)増加している。
コンサルティング業界の初年度年収増加は、未経験求人の初年度年収額増加と経験者求人比率の増加によって起こっているようだ。
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