2021年度(2021年4月~2022年3月入社)の正社員(新卒・中途入社)の採用状況について、「採用予定がある」(「増加する」、「変わらない」、「減少する」の合計)と回答した企業が前回調査(2020年2月実施)から3.9ポイント減の55.3%となり、3年連続で減少したことが、帝国データバンクがこのほど発表した「2021年度の雇用動向に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1073社)で明らかになった。
新型コロナによる様々な影響を受けた2020年度の企業活動などを踏まえた2021年度の正社員採用見込みは、2012年度(54.5%)以来9年ぶりの低水準となった。正社員の「採用予定がある」企業を規模別にみると、「大企業」は79.5%と2020年比3.4ポイント減と、高水準ながらも8年ぶりに8割を下回った。「中小企業」は50.2%で同3.4ポイント減となり、規模を問わず慎重な姿勢を示す結果となった。
2021年度の正社員の採用状況について新卒新入社員と中途社員をそれぞれ尋ねたところ、「採用予定がある」割合は、「新卒新入社員」で39.1%、「中途社員」で45.0%となった。規模別では、「大企業」では新卒、「中小企業」では中途採用の割合が高くなっている。特に中小企業からは、「新卒を教育している時間がないので、どうしても即戦力である中途採用に偏る」(各種商品卸売、神奈川県)といった声が多く挙げられた。
一方、2021年度の非正社員(新卒・中途入社)の採用状況については、「採用予定がある」(「増加する」、「変わらない」、「減少する」の合計)と回答した企業は36.8%となった。前回調査から7.4ポイントの大幅減となり、9年ぶりの3割台まで減少した。また、「採用予定はない」とする割合は5割近い水準まで増加している。「採用予定がある」企業を業種別にみると、「飲食店」が73.1%でトップとなった。
「飲食店」は新型コロナの影響を大きく受けて人手不足割合も大幅に減少しているが、非正社員の採用意欲は依然として高い。次いで、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が69.6%で続いた。旺盛な内食需要により人手不足割合が高まっていることが一因と考えられる。また、「家具類小売」(66.7%)、「飲食料品小売」(64.6%)、「人材派遣・紹介」(63.3%)、「娯楽サービス」(61.7%)など、個人向けの業種が上位に並んでいる。
同調査結果は↓