パートタイム起業家は「29歳以下」が39.4%と高い

 日本政策金融公庫は今年2月に全国の18歳~69歳の男女を対象に「2020年度起業と起業意識に関する調査」を実施した。同調査では、事業に充てる時間が1週間に35時間以上を「起業家」、35時間未満を「パートタイム起業家」と分類している。調査結果(有効回答数2487人)によると、パートタイム起業家は、「29歳以下」や「女性の割合」がかなり高いことが明らかになった。

 起業時の年齢は、パートタイム起業家では「29歳以下」の割合が39.4%と、起業家(20.7%)、起業関心層(27.3%)、起業無関心層(16.8%)に比べてかなり高い。性別は、「女性」の割合がパートタイム起業家で45.8%と、起業家(26.3%)と比べてかなり高い。起業無関心層では、「女性」の割合が58.5%と半数を超える。現在の「勤務者(正社員)」の割合は、起業家が3.9%と、パートタイム起業家(41.8%)に比べてかなり低い。

 起業した業種は、「個人向けサービス業」の割合が起業家(19.7%)とパートタイム起業家(20.6%)ともに最も高く、「事業所向けサービス業」(起業家16.3%、パートタイム起業家11.2%)がそれに続く。起業家、パートタイム起業家ともにサービス業が占める割合は3割を超えている。組織形態は、「個人企業」の割合が起業家で86.1%、パートタイム起業家で95.6%と大半を占める。

 起業費用をみると、起業家では「50万円未満」とする割合が30.2%と最も高く、「費用はかからなかった」(25.1%)がそれに続く。パートタイム起業家では「費用はかからなかった」とする割合が42.9%と最も高く、「50万円未満」(39.5%)を合わせると8割を超える。起業費用に占める自己資金の割合が「100%(自己資金だけで起業)」である割合は、起業家(75.2%)、パートタイム起業家(70.4%)ともに7割を超えている。

 現在の月商が「50万円未満」である割合は、パートタイム起業家では87.1%と、起業家(58.9%)に比べてかなり高い。現在の業況は、起業家、パートタイム起業家ともに「良い」が「悪い」を上回っている。パートタイム起業家のほうが起業家に比べて「良い」と「やや良い」の合計(順に62.8%、54.2%)が高い。売上状況は、「横ばい」が起業家(46.9%)、パートタイム起業家(57.0%)ともに最も多くなっている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_210316_1.pdf