帝国データバンクが発表した「新型コロナ感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1073社)によると、新型コロナ感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響」を見込む企業は76.3%(1月比▲2.5ポイント)と、2月は一部地域で緊急事態宣言下でありながら5ヵ月連続で8割を下回った。特に、「今後マイナスの影響」を見込む企業は8.2%(同▲4.8 ポイント)と、調査開始以降で最も低くなった。
「マイナスの影響」を見込む企業を業種別にみると、「旅館・ホテル」が97.1%となり、「医薬品・日用雑貨品小売」(95.2%)、「広告関連」(94.1%)、「飲食店」(92.3%)などが続いた。一方で、「プラスの影響」を見込む企業は、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が39.1%で最も高く、次いで、「飲食料品小売」(21.5%)が2割超で続くなど、これまでの傾向と変わらず飲食料品関連業種が上位となった。
また、政府は、2020 年7月17日に発表した成長戦略実行計画において、新型コロナウイルス下における多様な働き方の推進を目的に「兼業・副業の環境整備」を明記。加えて、同年9月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改訂するなど、積極的に推し進めている。そこで、自社の兼業・副業に関する導入状況を尋ねたところ、「認めている」企業は18.1% (「積極的に認めている」6.3%、「やむを得ず認めている」11.8%)となった。
4年前の前回調査(2017年2月、10.4%)から7.7ポイント増加。それぞれの内訳をみても増加傾向がみられ、「現在は認めていないが、今後は認める予定(検討含む)」においても増加(15.4%→18.8%)している。規模別でみると、兼業・副業を「認めている」割合は、大企業が13.1%で最も低くなっている。それに対して、「今後も認めない」では大企業が46.9%と最も高く、総じて大企業ほど兼業・副業に慎重な姿勢を示している。
新型コロナウイルス下で求められている多様な働き方の実現に向けて注目される兼業・副業に関しては、「認めている」割合こそ2割弱にとどまったものの、4年前と比較して増加。一方で、主に大企業からは労務時間の管理や社会保険制度などにおいては、さまざまな課題が指摘されている。政府が推し進める「兼業・副業の環境整備」を実現するためには、よりきめ細やかな制度面の解決が必要となるとみられている。
同調査結果は↓