内閣府がこのほど公表した「薬局の利用に関する世論調査」結果(有効回答数1944人)によると、服用している薬の名前や飲む量、回数、飲み方などを記録するための「お薬手帳」の利用者は28.6%と3割弱にとどまった。利用している理由(複数回答)では、「服用している薬について薬剤師に飲み合わせなどを確認してもらうため」(56.9%)や「服用している薬について自分で確認するため」(52.9%)などが上位に挙げられた。
一方で利用していない理由(複数回答)としては、「病院や診療所、薬局を利用する機会が少ない」が52.2%と圧倒的に多く、次いで、「お薬手帳がなくても服用している薬を自分で管理できる」(25.9%)、「利用するのが面倒」(23.0%)などが続いた。また、薬局を利用した際に薬剤師に相談したいこと(複数回答)では、「病院や診療所で処方された薬について」(49.1%)や「薬の飲み合わせについて」(45.2%)などが挙げられた。
薬剤師以外で薬や健康に関して相談をしようと思う人(複数回答)は、「医師・歯科医師」が74.4%と最多、次いで、「家族」(41.9%)、「友人・知人」(22.2%)、「看護師」(20.9%)などとなっている。薬剤師以外の人に相談したい内容(複数回答)では、「病気や体調について」(40.9%)、「病院や診療所で処方された薬について」(33.7%)、「薬の飲み合わせについて」(19.5%)、「市販薬について」(14.9%)などが挙げられた。
また、薬局を一つに決め、薬剤師を一人に決めているかについては、「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」との回答は7.6%に過ぎず、「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」が57.7%と6割弱を占め、「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」が18.4%、「特に決めていない」が13.7%だった。かかりつけ薬剤師・薬局を決めている理由(複数回答)は、「信頼できる薬剤師であるため」(49.7%)が最も多い。
かかりつけ薬剤師・薬局を決めていてよかったこと(複数回答)は、「生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などをしてくれたこと」(52.4%)、「服用している全ての薬の飲み合わせについて確認してくれたこと」(46.3%)。一方で、かかりつけ薬剤師を決めていない理由(複数回答)は、「かかりつけ薬剤師を決める利点がわからない」(24.6%)、「かかりつけにしたい薬剤師が見つかっていない」(22.1%)だった。
同調査結果の概要は↓
https://survey.gov-online.go.jp/r02/r02-yakkyoku/gairyaku.pdf