東京五輪、56.0%が2021年の開催に否定的な見方

 東京五輪・パラリンピックは、本年1月に11都府県に再度の緊急事態宣言が発令され、2月には組織委員会の会長辞任劇で世界に話題を振りまき、開催に向けた動きが注目を集めている。東京商工リサーチが15日に発表した「東京五輪・パラリンピックに関する調査」結果(有効回答数1万1432社)によると、「予定通りの開催」は7.7%にとどまり、前回調査(2020年7月28日~8月11日)の22.5%から14.8ポイント下落した。

 東京五輪・パラリンピック開催で望ましい形として、最も多かったのは「開催延期」の33.0%だった。次いで、「中止」が22.9%で、「中止」と「開催延期」を合わせ56.0%が2021年の開催に否定的な見方を示した。一方、「観客席を間引いて開催」は9.3%、「無観客開催」は16.8%だった。「予定通り開催」は7.7%にとどまり、前回調査の22.5%から14.8ポイントの大幅ダウンとなった。

 企業規模別では、大企業(資本金1億円以上)で、2021年の開催に否定的な見方(中止+開催延期)は52.9%(1721社中、911社)、中小企業(資本金1億円未満、個人企業など)は56.5%(9711社中、5491社)だった。また、中止や無観客となった場合の経営への影響は、最多は「影響はない」の71.1%で7割を超えた。一方、「悪い影響が多い」は26.6%、「良い影響が多い」は2.2%だった。

 「悪い影響が多い」と回答した企業のその理由(複数回答)は、「取引先の売上に直接的な影響があるため、自社にも間接的な影響がある」が68.5%で最多。「その他」では、「心理的に消極的な行動になりやすい」や「株が下がり景気が冷え込む」、「国内全体の失望感」など景況感の落込みを懸念する声が少なくなかった。期待とは裏腹に、中止や条件付き開催による経済的な恩恵については、大半の企業が「あきらめ」を織り込んでいるとみられる。

 同調査結果は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210215_03.html