1月倒産506件、1月では2000年以降2番目の低水準

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は552件で、前月比は▲8.3%、前年同月比でも▲29.0%となり、6ヵ月連続で前年同月を下回り、1月としては2000年以降2番目の低水準となった。業種別では、7業種中製造業や小売業など6業種で、地域別でも、9地域中東北や北陸など全地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は912億5800万円(前月1450億300万円、前年同月1172億5000万円)となり、1月としては2000年以降最小となった。前月比では▲37.1%減少、前年同月比でも▲22.2%の減少となって、6ヵ月連続で前年同月を下回った。負債5000万円未満の小規模倒産が321件、構成比は63.4%を占めた。負債額最大の倒産は、大興製紙(株)(静岡県、会社更生)の約140億800万円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。製造業(42件、前年同月比▲39.1%)は2020年5月に次ぐ過去2番目の低水準。卸売業(65件、同▲46.7%)は、繊維製品卸(7件)や機械器具卸(10件)などで減少し、7ヵ月連続の二ケタ減。また、小売業(121件、同▲30.1%)も7ヵ月連続の減少となった。一方、不動産業(20件、同11.1%増)は唯一の増加。4ヵ月ぶりに増加へ転じた。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は321件(前年同月比▲27.0%)で、構成比は63.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が358件(同▲25.1%)で構成比は70.8%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(90件)が構成比28.0%を占め最多、サービス業(88件)が同27.4%で続く。

 地域別にみると、全地域で前年同月比二ケタ減となった。東北(17件、前年同月比▲63.0%)は、全県・全業種で減少。県別では宮城県や秋田県が、業種別では建設業などで減少が目立ち、7ヵ月連続の減少。北陸(10件、同60.0%減)も全県で減少し、2005年6月に次ぐ過去2番目の低水準。関東(180件、同28.6%減)は千葉県を除く1都5県で減少。なかでも東京都(77件)は前年同月比▲33.0%減と、過去3番目の低水準となった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2101.html