日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に昨年12月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4665社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2020年10~12月期実績ではマイナス幅が前期から4.1ポイント縮小し▲24.4となり、中小企業の資金繰りは、やや改善した。来期2021年1~3月期はマイナス幅が同3.1ポイント拡大の▲27.5とやや悪化となる見通し。
また、今期(10~12月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比20.2ポイント減の25.2%と大幅に減少。従業員規模別にみると、「0~20人」が同21.0ポイント減の23.5%、「21人以上」は同19.3ポイント減の33.2%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同2.6ポイント増の32.8%、「1千万円超5千万円以下」が同2.7ポイント減の49.6%、「5千万円超」が同1.7ポイント減の17.0%で、平均借入金額は3670万円だった。
今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比7.1ポイント減の74.4%と減少した。保証利用割合別では、「全額利用」の割合が同3.9ポイント減の64.1%、「一部利用」も同3.1ポイント減の10.4%とともに減少した。来期(2021年1~3月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)は0.0と横ばいとなった。
一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比6.7ポイント縮小の▲38.8となった。来期もマイナス幅が13.8ポイント縮小の▲25.0が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同6.9ポイント縮小の▲38.7となり、来期は同10.7ポイント縮小の▲28.0の見通しとなっている。
なお、新型コロナ感染症の影響に伴う資金繰り対策として、20年10~12月に金融支援を「利用した」企業は36.7%と前期(61.7%)から低下。また、利用した金融支援は、「信用保証付き融資」が72.8%と最多。金融支援を利用した理由(複数回答)は、「既存の取引先(仕入・外注・借入先等)への支払・返済など取引継続のため」(61.5%)が最多、次いで「人件費支払など従業員の雇用維持のため」(60.9%)が続いている。
同調査結果は↓