2020年の新規上場企業数は前年比8社増の103社

 2020年1月~12月の新規上場企業数は103社となったことが、EY新日本有限責任監査法人が25日に発表した日本の新規上場動向で分かった。2020年の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値2万3千円台でスタートし、新型コロナウイルス感染症対策の影響を受け3月中旬には1万7千円台に落ち込むものの、その後徐々に回復し、11月に入ってからは右肩上がりで上昇し、12月最終日終値は2万7444円となった。

 そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、103社(TOKYO PRO Marketを含む)となった。前年同期(2019年)と比較した場合8社増となっている。業種別では、「情報・通信業」37社(昨年28社)、「サービス業」28社(昨年35社)となっており、それぞれ全体の約30%を占め、他の業種社数と開きが昨年と同様に見られる。次いで多いのは「建設業」と「小売業」の5社となり、多岐にわたる業種が上場している。

 本社所在地別では、全体の66.0%にあたる68社の本店所在地が「東京都」であり、依然として東京都が中心。次いで「大阪府」15社、「神奈川県」4社、ほかにも12県の企業が上場し、昨年とほぼ同様の傾向にある。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中している。東証以外では、東証に同日上場した場合を除くと、名証セントレックスに1社が上場している。

 直前期の売上高の分布をみると、「10億円未満」の企業が20社(19%)、「10億円以上50億円未満」の企業が50社(48%)であり、全体の3分の2以上を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めている。売上高が500億円を超える新規上場企業は、東証1部に上場した2社にとどまっている。市場別にみると、全体の61.2%にあたる63社が「マザーズ」に上場し、新興市場合計で全体の85.4%を占めている。

 初値時価総額の分布をみると、「50億円未満」の企業が18社(18%)、「50億円以上100億円未満」の企業が25社(24%)であり、全体の半数弱を占める。時価総額500億円を超えた企業は、昨年(9社)並みの11社となっている。(株)プレイド1社が時価総額1000億円超となっている。マザーズとジャスダック市場の平均時価総額は206億円と、前年同期の221億円と比較して減少した。

 監査法人別では、2018年~2020年までを通算すると、「EY新日本有限責任監査法人」80社(27.0%)、「有限責任あずさ監査法人」68社(23.0%)、「有限責任監査法人トーマツ」53社(17.9%)、となっており、大手監査法人に集中している。

 日本の新規上場動向は↓

https://www.eyjapan.jp/services/assurance/ipo/domestic/topics/2021-01-25-domestic-01.html