コロナによる行動変容、「デジタル手段」が増加傾向

 ニッセイ基礎研究所が全国の20~69歳の男女を対象に昨年12月に実施した「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」結果(有効回答数2069人)によると、新型コロナによる行動変容については、コロナ禍で、ネットショッピングやキャッシュレス決済サービスなどの「デジタル手段」の利用は、引き続き増加傾向にあり、12月の利用増加層は約3割を占める。一方、店舗は利用控えが見られ、店舗によっても温度差がある。

「スーパー」など主に食料や日用品を購入する店舗では、利用減少層は約2割で低下傾向にあり、変わらない・元に戻る層が約6割を占めて増加傾向にある。一方、主に衣料品や贅沢品を購入する「デパート」や「ショッピングモール」では、利用減少層は約4割で、コロナ禍で全く利用していなかった層で利用再開の動きはあるものの、第三波が到来した12月は、ある程度利用していた層の再度の利用控えの動きが見られる。

 移動手段の利用では、自動車や自家用車などのセルフ手段の利用が引き続き増加傾向にあり12月の増加層は、自家用車は約2割(18.6%)、自転車は約1割(10.3%)を占める。一方、公共交通機関は利用控えが見られ、12月の利用減少層は電車やバスは約4割、飛行機(21.3%)やタクシー(17.7%)は約2割を占める。ただし、公共交通機関を全く利用していなかった層で利用が再開され、利用者数自体は回復傾向を示している。

 食事サービスの利用では、テイクアウトやデリバリーなどの中食手段の利用は増加しているが、伸びは鈍化しており、12月の増加層は、テイクアウトは約25%、デリバリーは約15%を占める。外食は引き続き利用控えが目立ち、12月の利用減少層は過半数を占める。なお、コロナ禍で外食を全く利用していなかった層で利用が再開されているが、第三波が到来した12月はその動きも鈍化している。

 生活時間では、家の中で過ごす時間は増える一方、外での活動も含む「交際やつき合い時間(オンライン含む)」は減っている。12月の増加層は「家族と過ごす時間」や「休養・くつろぎの時間」、「家事時間」などの家の中で過ごす時間で2~3割程度、減少層は「交際やつき合い時間」で約半数を占める。6月以降、家の中で過ごす時間が増え、外での活動時間が減る状況はやや緩和されているが、引き続き、巣ごもりを軸とした生活が続いている。

 働き方では、テレワークによるデジタル行動が増え、対面のリアル行動が減っている。12月の増加層はオンライン会議や在宅勤務で約2割、減少層は会食や出張は25%前後、出社は約2割を占める。ただし、6月以降、オンライン会議はやや増える一方、出社が増えたこともあり在宅勤務はやや減っている。出張や会食では引き続き減少が目立つものの、全くしていなかった層での再開の動きが見られる。

 同調査結果は↓

https://www.nli-research.co.jp/files/topics/66659_ext_18_0.pdf?site=nli