国税庁の2021年度末定員は44人増の5万5954人

 国税庁の2021年度末の定員は5万5954人となることが、同庁が21日に発表した2021年度予算の概要で分かった。定員については、要求段階では、軽減税率制度実施や租税回避などへの対応から1227人の増員を求めていたが、1190人の新規増員にとどまり、定員合理化計画に基づく合理化目標数が▲1146人あることから、差し引き44人の二ケタの純増となった。同庁の定員は5年連続で増加し、2021年度末の定員は5万5954人となる。

 同庁の2021年度の機構については、(1)IC化、(2)国際化、(3) 調査・徴収事務の複雑化等、(4)日本産酒類の輸出促進への対応などのため認められた。IC化への対応では、国税庁企画課に課長補佐を1名増設、情報システム監理官を大阪局に1名増設、主任査察情報技術専門官(仮称)を東京局に1名新設する。国際化への対応では、国際税務専門官を4局に各1名、特別国税徴収官を東京局に1名それぞれ増設する。

 また、調査・徴収事務の複雑化等への対応では、納税専門官(仮称)を東京局など8局(所)に計21名新設し、調査総括課を関東信越局に増設、統括国税実査官を関東信越局・名古屋局に1名ずつ増設するほか、税務署に消費税専門官(仮称)ポストを12名新設し、特別国税調査官を3名、審理専門官を2名それぞれ増設する。日本産酒類の輸出促進への対応では、酒類業調整官を仙台局に1名、税務署に酒類指導官を1名それぞれ増設する。

 そのほか、再任用短時間勤務職員用のポストとして、関東信越局に主任国税管理官(仮称)1名、納税専門官(仮称)1名をそれぞれ新設、実務指導専門官を東京局に1名、税務署に特別国税調査官を3名、それぞれ増設する。これらのポストは、定年後、年金受給までの間の経済的穴埋めとしての国家公務員の再任用のためのもので、一般職員はもとより、指定官職も再任用となるケースが珍しくなくなっている。

 一方、2021年度予算の経費関係については、2020年度当初予算額に比べ▲11.5%(約829億円)減の約6365億円となった。人件費を除く主な一般経費をみると、申告書用紙や通信費などが含まれる「庁・局署一般経費」として▲1.2%の約600億円のほか、「職場環境整備・安全対策経費」が▲2.3%の約73億円のほか、「情報化経費」が▲95.2%の約24億円、「税制改正関係経費」が▲87.3%の約22億円などが大幅減少ながら認められている。

 定員・機構関係の概要は↓

https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0020012-047.pdf

 経費関係の概要は↓https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2020/yosan_keihi/yosan_keihi.pdf