年末年始の日本の恒例行事に年賀状による新年の挨拶があるが、近年は年賀状離れが伝えられている。ニッセイ基礎研究所が全国の15~64歳の被用者を対象に実施した「男女、年代、地域別、年賀状を出した人の割合調査」結果(有効回答数5594人)によると、回答者全体では、2020年の「年賀ハガキを出した」人の割合は52.4%、「ハガキ以外の方法で出した」人は5.1%、「喪中」の人が6.5%、「出さなかった」人は、36.0%だった。
男女別にみると、年賀ハガキを出した人の割合は、男性は51.8%で、女性は53.2%で、年賀ハガキを出した人の割合について、男女別の比較では、少し女性のほうが割合が大きい傾向があるが、その差は大きくはない。年代別でみると、「20代以下(15歳~29歳)」の回答者で、年賀ハガキを出した人の割合は、31.7%。そして、「30代」では45.7%、「40代」では56.5%、「50代」では63.0%、「60代」では68.1%だった。
20代以下で年賀状を出した人の割合は、50代、60代に比べて半分以下になっており、年賀ハガキを出した人の割合は、年代が上がるにつれて大きくなっていく傾向がみられた。また、地域別でみると、最も年賀ハガキを出した人の割合が大きかったのは「中部地方」で55.7%だった。そして、次に年賀ハガキを出した人の割合が大きかったのは、「近畿地方」で55.3%だった。
一方、最も年賀ハガキを出した人の割合が小さかったのは、「九州・沖縄地方」で46.8%、その次に年賀ハガキを出した人の割合が小さかったのは「関東地方」で50.7%だった。年賀ハガキを出した人の割合が最も大きかった「中部地区」と最も小さかった「九州・沖縄地区」の割合を比較すると、その差は8.9%であり、地域間で年賀状を出した人の割合に違いがある可能性があることが確認された。
この分析では、性別、年代、地域によって、年賀状の利用率に違いがある可能性が示された。ニッセイ基礎研究所は、「この要因には、本調査の対象である、被用者の15歳から64歳の間では年代が上がるにつれて社会的なつながりが広がっていく傾向がある可能性に加え、世代による年賀状への意識の違いも考えられる。そして、この世代による年賀状への意識の違いは、近年の年賀状離れが進む要因の1つと考えられる」と分析している。
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