事業承継で「コロナの影響があった」企業は4割超

 大阪商工会議所が府内の従業員数300人以下の中小企業を対象に実施した「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数4105社)によると、事業承継に関する代表者の意向は、回答者の4割台半ば(44.7%)が「親族に承継したい」とした。「現在のところ未定」(20.9%)がこれに続く。個人事業主に限ると、「自分の代で廃業するつもり」(36.3%)が最多、「親族に承継したい」(35.7%)がこれに続く。

 代表者年齢別にみると、60歳台では、「親族に承継したい」(40.0%)が最も多く、「現在のところ未定」(24.4%)がこれに続く。70歳台でも、「親族に承継したい」(49.4%)が最も多く、「現在のところ未定」(17.3%)がこれに続く。業種別にみると、「親族に承継したい」とするのは「不動産業」(55.6%)が最も多く、「製造業」(51.7%)がこれに続く。「サービス業」(32.1%)が3割強で最少だった。

 現在の代表者にとって意中の「後継者はいる」とする回答は、全体の6割弱(59.8%)。一方、「後継者はまだ決めていない」(16.2%)と「後継者はいない」(20.9%)を合わせると、4割近くにのぼる。特に個人事業主に限ると、「後継者はいない」(40.9%)が4割超を占める。代表者の年齢別にみると、70歳以上の層でも、「後継者未定」(12.0%)または「不在」(20.2%)とする回答が合わせて3割超となった。

 事業承継に関して「新型コロナウイルスの影響があった」とする回答は、4割超(40.7%)。個人事業主に限ってみると6割超(61.0%)となった。代表者の年齢別にみると、60歳台の層では3割台半ば(36.8%)、70歳台の層では4割台半ば(44.7%)が事業承継に影響があったと回答。業種別にみると、「影響があった」との回答は、「小売業」(49.2%)が最も多く、「サービス業」(43.6%)がこれに続く。「不動産業」(28.4%)が最も少なかった。

 上記設問で、新型コロナウイルス感染症により、事業承継に関して「影響があった」との回答者のうち、「事業承継の準備を遅らせた」のは3割超(31.0%)。「事業承継が難しくなった」のは、3割台半ば(34.9%)だった。「廃業する可能性が高くなった」のは3割弱(27.1%)。業種別でみると、「廃業する可能性が高くなった」との回答は、「小売業」(34.4%)が最も多く、「不動産業」(30.2%)がこれに続いた。

 同調査結果は↓https://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/201210ank_josusume.pdf