例年はクリスマス商戦や忘年会、新年会で賑やかな年の瀬を迎える。だが、今年は新型コロナウイルス感染者が11月下旬から急拡大し、例年の街の雰囲気とは様相が異なっている。東京商工リサーチがこのほど発表した「忘・新年会に関するアンケート調査」では、新型コロナの第三波で、今シーズンは忘・新年会を「開催しない予定」の企業は 94%に達したことが分かった。11月の前回調査から6.3ポイント増加した。
年末年始の書き入れ時に、企業の宴会需要がほぼ消失し、小グループの飲み会も自粛が広がると、飲食業界の受ける打撃はより深刻さを増しそうだ。調査結果(有効回答数9970社)によると、忘年会や新年会を「開催しない予定」と回答した企業は94.2%だった。大企業が96.4%、中小企業が93.7%で、ほとんどの企業が感染防止で宴会を控え、慎重な年末年始を迎える。
都道府県別では、感染拡大が深刻な「北海道」は「開催しない予定」が96.9%に達した。また、「愛知県」は96.9%、「神奈川県」は96.3%、「大阪府」も96.0%に達し、大都市圏ほど自粛する企業が多い。10日に602人の感染者が出た「東京都」は 94.4%で、全国平均 94.2%を僅かに上回った。最高は「山梨県」の98.6%、最低は「秋田県」の82.9%だった。「開催しない予定」は、北海道を始め15道府県で95%を上回っている。
企業規模別では、大企業(資本金1億円以上)で、「昨年開催し、今年は開催しない予定」が82.1%にのぼった。「昨年は開催せず、今年も開催しない予定」は14.3%で、合計96.4%が「開催しない予定」。一方、中小企業(資本金1億円未満、個人企業など)は、「昨年開催し、今年は開催しない予定」が71.6%。「昨年は開催せず、今年も開催しない予定」22.1%で、合計93.7%が「開催しない予定」だった。