新しい生活様式、3割超が2021年中の定着を見込む

帝国データバンクが発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1363社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は79.8%となった。前月比0.8ポイント増と、7ヵ月ぶりに増加に転じたものの、2ヵ月連続で8割を下回った。他方、「プラスの影響がある」は4.3%となり、同0.5ポイント増で2ヵ月連続の増加となった。

業種別にみると、「マイナスの影響がある」と見込む企業は、「旅館・ホテル」が97.0%でトップ。次いで、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(93.5%)、「出版・印刷」(91.4%)、「広告関連」(91.3%)、「飲食店」(90.7%)、「娯楽サービス」(89.7%)が続いた。上位に並ぶ業種は、「旅館・ホテル」や「飲食店」などの対人接触型のサービス業やアパレル関連の業種であり、これらの業種を中心に、悪影響を受けている。

また、「プラスの影響がある」と見込む企業は、飲食料品を取り扱う業種が上位に並び、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が32.6%で最高となった。以下、「飲食料品小売」(20.6%)、「飲食料品・飼料製造」(12.2%)などが続いたほか、「除菌作業などの新たな業務が加わった」(化粧品卸売、北海道)というように、現業を生かして新たな需要を獲得している企業もみられた。

新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなか、「新しい生活様式」に対応した企業活動が社会全体として定着すると考えている時期については、「2021年中の定着を見込む」企業は、36.9%となり、3社に1社が2021年中と見込んでいた。企業から「テレワークの導入など短期的な対応はすでに実施してきているが、定着させるためには組織のあり方や人事制度などを見直す必要がある」(医薬品製剤製造、大阪府)といった意見が挙がった。

他方、「2020年中の定着を見込む」企業は、18.3%となった。そのうち、約1割の企業が「すでに定着している」(10.8%)と考えていた。特に、「電気通信」や「旅館・ホテル」(ともに33.3%)では、3割超の企業で既に定着していると回答しており、サービス業を中心にその割合が高い。一方で、「新しい生活様式に対応した企業活動は定着しない」とみている企業は11.8%となった。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201202.pdf