11月の倒産563件、11月としては2000年以降最少

 帝国データバンクが8日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は563件で、前月比は▲13.6%減、前年同月比でも▲122.2%減となり、4ヵ月連続で前年同月を下回った。11月としては2000年以降最少となった。業種別では、7業種中建設業や卸売業など全業種で、地域別でも、9地域中関東や北海道など全地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は952億1200万円(前月669億4800万円、前年同月1307億9700万円)となり、前月比では42.2%増加したが、前年同月比では▲27.2%の減少となって、4ヵ月連続で前年同月を下回った。11月としては比較可能な2000年以降最小となった。負債5000万円未満の倒産が364件、構成比は64.7%を占めた。負債額最大の倒産は、エアアジア・ジャパン(株)(愛知県、破産)の負債約217億円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中全業種で前年同月を下回った。建設業(92件、前年同月比▲31.3%)は、設備工事(26件)は増加も、職別工事(38件)、総合工事(28件)が前年同月比二ケタ減となった。卸売業(70件、同▲29.3%)は、衣料品卸売(13件)などで減少し、5ヵ月連続の減少。また、小売業(134件、同▲15.7%)も、5ヵ月連続の減少。引き続き減少傾向の続く飲食料品小売(20件)では5ヵ月連続の二ケタ減となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は364件(前年同月比▲17.6%)で、構成比は64.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が387件(同▲20.4%)で構成比は68.7%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(109件)が構成比29.9%を占め最多、小売業(97件)が同26.6%で続く。

 地域別にみると、9地域中全地域で前年同月を下回り、このうち8地域で二ケタ減となった。なかでも関東(185件、前年同月比26.9%減)は、1都6県全てで減少。業種別では6業種で減少となり、なかでも職別工事(13件)などの建設業や、飲食料品卸売(3件)など卸売業が減少した。北海道(9件、同35.7%減)は建設業、サービス業、不動産業で減少し、2001年2月、2020年5月に並ぶ2000年以降で最少の件数となった。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2011.html