新型コロナによるマイナス影響はASEANで約9割

 日本政策金融公庫が中小事業の取引先現地法人を対象に8月1日時点で実施した業況調査結果(有効回答数1529社)報告によると、新型コロナによって、事業に「(おおいに+やや)マイナスの影響がある」と回答した企業割合は85.1%だった。マイナスの影響の内容(複数回答)をみると、「現地市場での販売数量減少」が69.8%と最も多く、次いで「輸出での販売数量減少」(39.8%)が続いた。

 新型コロナの影響が解消する時期は、「2021年」が50.4%と最多、次いで「2022年以降」(39.3%)、「2020年」(10.2%)。ASEANでは、新型コロナによって事業に「マイナスの影響がある」と回答した企業割合は88.7%。中国では、「マイナスの影響がある」は81.7%。マイナスの影響の内容(複数回答)は、「現地市場での販売数量減少」が、それぞれ68.7%、68.5%と最多、次いで「輸出での販売数量減少」(各43.0%、46.4%)が続く。

 売上高・損益面をみると、全体では、前期決算期の最終損益が「黒字」と回答した企業割合は51.6%と、前回調査(2019年7月調査)から4.6ポイント低下。前々期決算期の最終損益と比較すると、「改善」が37.6%と、前回から12.4ポイント低下した一方、「悪化」は33.1%と、7.8ポイント上昇した。前期決算期と比較し、今期決算期の最終損益が「増加」する見込みと回答した企業割合は18.1%と、前回から22.0ポイント低下した。

 ASEANでは、直近決算期の最終損益が「黒字」と回答した企業割合は48.6%と、前回から5.6ポイント低下。前々期決算期の最終損益と比較すると、「改善」が40.2%と、前回から15.6ポイント低下した一方、「悪化」は34.8%と、12.7ポイント上昇した。前期決算期と比較し、今期決算期の最終損益が「増加」する見込みと回答した企業割合は17.6%と、前回から31.6ポイント低下した。

 中国では、直近決算期の最終損益が「黒字」と回答した企業割合は58.7%と、前回から1.4ポイント低下。前々期決算の最終損益と比較すると、「改善」が37.8%と、前回から8.4ポイント低下した一方、「悪化」は30.9%と、4.8ポイント上昇した。前期決算期と比較し、今期決算期の最終損益が「増加」する見込みと回答した企業割合は18.6%と、前回から12.2ポイント低下している。

 同調査結果報告は↓
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tyousa2020.pdf