地方財政審議会、2021年度地方税制改正意見を提出

 総務省の地方財政審議会はこのほど、固定資産税の評価替え、自動車の環境性能割の税率区分見直し、地方税務手続きのデジタル化等を柱とする2021年度地方税制改正等に関する意見を総務大臣に提出した。意見では、「経済社会構造の大きな変化の中にあっても、地方税の原則等を踏まえながら、地方税の充実確保を図るとともに、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築を進めることが必要」との基本的な考え方を示している。

 2021年度は、3年に一度の固定資産税の評価替えの年に当たり、見直された土地の評価額は2023年度までの3年間据え置かれる。この評価替えは、前年1月1日の地価公示価格を基準としているが、下落修正措置として、7月1日までの半年間の地価の下落を評価額に反映させるとともに、据置年度についても、地価が下落していれば評価額に反映させる仕組みが講じられてきた。

 意見では、地価は本年1月頃は上昇していたものの、その後のコロナウィルス感染拡大の影響により下落に転じた状況を踏まえれば、負担の公平性の確保や更なる均衡化の促進の観点に留意しつつ、2021年度から2023年度までの間においても3年間の仕組みとして措置することにより、評価替えに当たっては引き続き下落修正措置を講じるとともに、市町村において適切に対応される必要があるとした。

 地方税法に基づき2年ごとに見直すこととされ2021年度改正で予定されている自動車の環境性能割の税率区分については、新たな燃費基準として、本年3月策定の2030年度燃費基準を踏まえ、基準の切替え及び重点化を行うべきで、具体的には、クリーンディーゼル車は、ガソリン車と比べて燃費性能も同等程度なことや、次世代自動車としても政府目標に近づいていること等から、ガソリン車等と同様に燃費性能等に応じた扱いとすべきとした。

 地方税務手続きのデジタル化等では、(1)昨年10月に稼働した地方税共通納税システムについて、現在の対象である主として法人が関係する税目から、固定資産税をはじめとした賦課税目への対象の拡大や、(2)現在、書面により通知されている個人住民税の特別徴収税額通知書(納税義務者用)について、電子的な通知事項の送付環境の整った特別徴収義務者に対しては、eLTAXを経由して電子的に通知する仕組みの速やかな導入を求めた。

 「2021年度地方税制改正等に関する意見」は↓

https://www.soumu.go.jp/main_content/000717814.pdf