コロナ禍の業況悪化で「人手不足」中小企業が大幅減

 大同生命保険がこのほど発表した中小企業アンケート10月度調査「コロナ禍における人材確保・人材育成調査」結果(有効回答数1万4665社)によると、新型コロナウイルスの感染拡大(4月)以降、業況DIが大幅に低下(業況が悪化)した一方で、従業員過不足DIは大幅に上昇し、10月度は▲26.2ポイントと2月度に比べ約15ポイント高い(人手不足を感じる企業の割合が低い)水準となったことが分かった。

 業種別にみると、「運輸業」(▲37.8%(2月比+25.3ポイント))、「宿泊・飲食サービス業」(▲14.2%(2月比+23.2ポイント))が2月と比べ、人手不足を感じる企業の割合が大きく減少した。また、新型コロナウイルス拡大前と現在の従業員数の変化については、「変わらない」が82%、「減った」は10%となった。業種別にみると、「減った」は「宿泊・飲食サービス業」が27%と最も多くなった。

 従業員の過不足DIを都道府県別にみると、42都道府県で2020年2月時点と比べ、人手不足を感じる企業割合が減少し、特に「福井県」、「静岡県」、「石川県」で大幅に減少。一方で、「徳島県」ではコロナ禍において、人手不足を感じる企業の割合が増加した。従業員が「過多」の理由(複数回答)は、「新型コロナによる事業活動の中止又は見直し」が69%、「充足」の理由(同)は、「従業員の定着率の向上」が49%と最多となった。

 雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金を含む)の申請状況は、「申請済み・申請予定」が33%。業種別でみると、「製造業」と「宿泊・飲食サービス業」でともに50%と最も多く、コロナ禍で雇用維持のために助成金を活用していることがうかがえる。「申請予定はない」(53%)の理由は、「支給要件である従業員の休業を実施していない」が54%と最多、次いで「売上の減少割合が支給要件を満たしていない」が31%となった。

 コロナ禍における従業員に求める人物像の変化の有無は、「変化はない」が84%。業種別にみると、「建設業」は「変化はない」が89%と他業種に比べて多くなった。求める人物像(複数回答)は、「コミュニケーション能力が高い人」が60%と最多。コロナ禍において「変化があった」(16%)との回答の求める人物像(同)は、「状況に応じて現状とは異なる仕事に対応可能な人」、「ITに関する知識がある人」が特に多くなった。

 同調査結果は↓

https://www.daido-life.co.jp/company/news/2020/pdf/201118_news.pdf