テレワーク縮小せず、拡大・維持方針の企業が約7割

 国土交通省が、東京都内に本社を置く上場企業を対象に実施した「企業向けアンケート調査」結果(速報)(有効回答数389社)によると、8月時点でテレワークを導入している企業は85%だった。2020年1月以降にテレワークを導入した企業は全体の60%で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きいとみられる。ほとんどの企業でテレビ会議・Web会議を導入しており、他のICTツールも半数以上の企業が導入している。

 2019年以前は23%の企業がテレワークを実施していたが、従業員全体の勤務日に占めるテレワーク利用日数の割合は3割未満がほとんどだった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大後の2020年8月には81%の企業がテレワークを実施しており、そのうち利用日数の割合が3割以上の企業が約6割だった。従業員数別では1000人を超える大企業で利用度が高い傾向にある。

 新型コロナウイルス感染拡大の終息後も見据えた今後のテレワークの利用方針については、「拡大」が18%、「維持」が53%で、拡大・維持が7割を占めており、現状のテレワーク利用度によらず維持するという回答が最も高い。今後のテレワーク利用方針について業種別にみると、特に「情報通信業」(86%)、「卸売業、小売業」(83%)では8割以上が「拡大・維持(縮小しない)」と回答している。

 部門・部署別のテレワーク利用状況をみると、テレワークの利用が相対的に多いのは、「情報システム」(56%)、「企画」(50%)、「営業」(47%)、「広報」(46%)、「研究・開発」(46%)の部門・部署。テレワーク利用日数の割合が高かった「情報通信業」では、「研究・開発」(73%)や「情報システム」(64%)の部門・部署で相対的に利用が多く、「製造業」においては、「営業」(63%)、「企画」(55%)、「広報」(53%)で利用が多い。

 テレワーク導入のメリット(複数回答)としては、「従業員のワーク・ライフ・バランスが改善する」(79%)、「業務の効率化・無駄な仕事の削減につながる」(64%)、「オフィススペースが削減できる」(51%)の順に回答が多い。「情報通信業」や「学術研究、専門・技術サービス業」では、「業務の効率化等につながる」との回答割合がそれぞれ71%、65%と他業種に比べて比較的高くなっている。

 同調査結果は↓

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/content/001371777.pdf