厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の9月の一人平均現金給与総額は、前年同月比▲0.9%の26万9503円で6ヵ月連続の減少となった。給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は0.2%増の24万5881円で2ヵ月ぶりの増加、残業代などの所定外給与は▲12.0%の1万6761円で13ヵ月連続の減少、賞与など特別に支払われた給与は▲8.9%の6861円で5ヵ月連続の減少となった。
この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比▲0.7%の26万2642円で6ヵ月連続の減少となった。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は▲1.4%の34万6444円、パートタイム労働者は▲0.6%の9万7630円。なお、物価の変動分を計算に入れた実質賃金指数(現金給与総額)は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は前年同月と同水準だったが、▲1.1%と7ヵ月連続で減少した。
また、9月の一人平均総実労働時間は、前年同月比▲1.5%の136.1時間で8ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が▲0.6%の126.9時間で8ヵ月連続の減少、所定外労働時間は▲12.0%の9.2時間で12ヵ月連続の減少。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数、前月比)は5.7%増で3ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、一般労働者は▲1.4%の161.0時間、パートタイム労働者は▲3.4%の80.5時間となった。
一方、9月の常用労働者数は、前年同月比0.6%増の5133万1千人となり、175ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は1.3%増の3543万1千人で85ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は▲1.2%の1590万人で6ヵ月連続の減少。主な産業についてみると、「製造業」は0.1%増、「卸売業、小売業」は0.2%増、「医療、福祉」は1.6%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。
同調査においては、本来「500人以上規模の事業所」については全数調査すべきところ、一部抽出調査を行い、かつ抽出調査を行う場合に行う必要がある統計的処理(復元)を2004年から2017年までの間行っていなかった。2018年11月分確報から、掲載する数値を、従来公表してきた値から、2012年以降において東京都の「500人以上規模の事業所」についても復元して再集計した値(再集計値)に変更したので注意が必要だ。
9月分結果速報の概況は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0209p/dl/pdf2009p.pdf