東京商工会議所が、会員企業を対象に9月~10月に実施した「テレワークの実施状況に関するアンケート調査」結果(有効回答数1048社)によると、テレワークの実施率は53.1%で、前回調査時(5~6月)に比べて、14.2ポイント減少した。また、テレワークを「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業は22.1%であり、「現在実施している」企業53.1%と合せたテレワークの「経験率」は75.2%%だった。
テレワークを実施している社員の割合は、最も多く該当する割合は「20%以下」だったが、その割合は「発令前より実施」では31.0%、「発令以降から実施」では50.4%。テレワークを継続的に実施している目的(複数回答)は、「社員の出勤人数を抑制(三密回避)」(82.9%)が最多、「感染症流行時等における事業継続性の確保」(75.7%)が続いた。テレワークを実施した効果(複数回答)は、「働き方改革が進んだ」が46.2%で最多だった。
テレワークを実施したことによる効果(複数回答)は、「働き方改革(時間外業務の削減)が進んだ」(46.2%)が最多。「発令前より実施」、「発令以降から実施」ともに「働き方改革が進んだ」が最多で、「業務プロセスの見直しができた」が続いた。テレワークを継続実施する上での課題(複数回答)は、「発令前より実施」では「書類への押印対応」が61.6%、「発令以降から実施」では「社内のコミュニケーション」が57.4%でともに最多だった。
一方、現在テレワークを実施していない理由(複数回答)では、「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業では「業務の生産性が下がる」が45.7%で最多、「一度も実施していない」企業では「テレワーク可能な業務がない」が55.6%で最多。今後は、「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業のうち50.4%が「実施する予定はない」、「一度も実施していない」企業のうち18.8%が「実施を検討している」と回答した。
企業からは、「遠方の取引先ともオンライン会議を活用して、従来よりも頻繁に、かつ出張費をかけずに打合せが可能となった」、「会社に出勤せずに取引先へ直行し、移動中に報告書を作成できるようにしたため、残業時間の削減につながった」、「外部から社内のネットワークにアクセスできる環境が整っていないため、生産性が上がらず、テレワークを取りやめた」などの声が寄せられた。
テレワークの導入を機に従来の業務を見直し、効果的にテレワークを実施している企業が存在する一方で、とりあえず実施してみたが、効果を実感できないために取りやめてしまった企業も存在する。テレワークは万能ではないものの、活用の仕方によっては大きな効果が期待できるものであり、東商においてはテレワークに関する特設サイトやオンラインセミナーなどにより、情報発信を行っているとしている。
同調査結果は↓