信用保証利用企業の資金繰り、大幅に改善~日本公庫

 日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に9月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4823社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2020年7~9月期実績ではマイナス幅が前期から25.9ポイント縮小し▲28.5となった。中小企業の資金繰りは、大幅に改善している。来期10~12月期はマイナス幅が同0.6ポイント拡大の▲29.1とほぼ横ばいとなる見通し。

 また、今期(7~9月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比12.4ポイント減の45.4%と大幅に減少。従業員規模別にみると、「0~20人」が同12.0ポイント減の44.5%、「21人以上」は同12.0ポイント減の64.5%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同0.6ポイント減の30.2%、「1千万円超5千万円以下」が同1.4ポイント増の52.3%、「5千万円超」が同0.9ポイント増の18.7%で、平均借入金額は3876万円だった。

 今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比3.8ポイント増の81.5%とやや増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合が同7.4ポイント増の68.0%と増加した一方、「一部利用」は同3.6ポイント減の13.5%とやや減少。次期(2020年10~11月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)は、同4.5ポイント減の0.7と、やや低下した。

 一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比24.2ポイントと大幅縮小の▲45.5となった。次期もマイナス幅が9.5ポイント縮小の▲30.0が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同20.8ポイント縮小の▲45.6となり、次期は同10.3ポイント縮小の▲31.6の見通しとなっている。

 なお、新型コロナ感染症の影響に伴う資金繰り対策として、20年7~9月に金融支援を「利用した」企業は前期に引き続き6割超(61.7%)。また、利用した金融支援は、「信用保証付き融資」が79.8%と最多、前期調査と比べて6.3ポイント増加。金融支援を利用した理由は、「人件費支払など従業員の雇用維持のため」(67.5%)が最多、次いで「既存の取引先(仕入・外注・借入先等)への支払・返済など取引継続のため」(67.2%)が続いている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/hosyouyouyaku206.pdf