コロナ禍長引いたとき中小企業の「廃業検討率」8.6%

東京商工リサーチがこのほど発表した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」結果(有効回答数1万3085社)によると、新型コロナウイルスの発生が企業活動に及ぼす影響は、最も多いのが「影響が継続している」で75.2%だった。以下、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が15.5%、「影響が出たがすでに収束した」が5.7%。「影響はない」は3.4%に過ぎなかった。

前年同月を「100」とした9月の売上高は、「100以上」(増収)は19.8%にとどまり、0.2%が前年割れ(減収)だった。規模別の減収企業率は、大企業は5月を除いて80%を下回った。一方、中小企業は80.2%で、4月から6ヵ月連続で80%を上回っている。「50未満」(売上半減)は、大企業の3.6%に対し、中小企業は7.2%で、3.6ポイントの差がついた。中央値は全企業が85、大企業が90、中小企業が85だった。

新型コロナに関連した資金繰り支援策の利用状況は、「利用した」と回答した企業は 53.3%で、9月の前回調査より2.8ポイント増加。「今後利用する可能性がある」は10.9%で、合計 64.3 %の企業が利用について言及している。利用した国や自治体、金融機関の各種支援策は、最多が「雇用調整助成金」の50.1%。そのほか、「民間金融機関の実質無利子・無担保融資(信用保証付き)」が49.8%、「 持続化給付金 」が49.4%と続く。

コロナ禍の収束が長引いた場合、「廃業」(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性については、「ある」が7.3%、「ない」は92.6%だった。「ある」は9月の前回調査より0.1ポイント改善した。規模別でみると、大企業で「ある」と回答した企業は1.0%にとどまったのに対して、中小企業では8.6%で8倍以上の差がついた。前回調査では、それぞれ1.2%、8.8%だった。

廃業を検討する可能性が「ある」企業を業種別にみると、構成比が最も高かったのは、「その他の生活関連サービス業」の38.0%だった。ただ、前回調査の41.3%より3.3ポイント改善した。以下、「道路旅客運送業」の26.9%、「飲食店」の25.3%と続く。トップ15業種のうち、一般個人向けの業種が過半を占めており、これらの業種は移動制限や新しい生活様式への対応で、他業種より大きな壁を感じているようだ。

 同調査結果は↓

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