20年度の業績、企業の56.0%が「減収減益」見通し

 帝国データバンクが9月後半に実施した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1689社)によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響は、「マイナスの影響がある」(「既にマイナスの影響がある」(68.4%)と「今後マイナスの影響がある」(12.3%)の合計)と見込む企業は80.6%となった。8月から1.9ポイント減となり、5ヵ月連続で減少した。

 一方、「プラスの影響がある」は3.6%となり、前月とほぼ横ばいとなった。「マイナスの影響がある」企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が86.9%でトップ、以下、「製造」(84.5%)、「卸売」(82.8%)、「不動産」(81.1%)が続いた。より細かく業種別にみると、「旅館・ホテル」が96.8%となり、6ヵ月連続で最も高い。次いで、アパレル関連の「繊維・繊維製品・服飾品小売」(93.5%)、「出版・印刷」(92.9%)が続く。

 「プラスの影響がある」と見込む企業を業界別にみると、「小売」が11.1%となり、内訳となる「既にプラスの影響」(7.4%)、「今後プラスの影響」(3.7%)を含めてトップ。次いで、「金融」(4.7%)、「卸売」(4.4%)、「製造」(3.6%)が続く。業種別では、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が35.6%で、7ヵ月連続で最も高く、以下、「飲食料品小売」(17.3%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(13.0%)といった小売業が上位になった。

 2020年度(2020年4月決算~2021年3月決算)の業績見通し(売上高及び経常利益)については、「増収増益」を見込む企業は10.5%となり、2020年3月調査時点から3.0ポイント減となった。一方、「減収減益」は56.0%となり、同11.6ポイント増で、大幅に増加している。3月以降、緊急事態宣言など新型コロナによる影響は拡大し続け、2020 年度の上半期終了時点では企業の半数以上が減収減益を予想している結果となった。

 新型コロナ拡大を機に取組みを開始した働き方は、「オンライン会議の導入」(39.0%)が最も高く、「在宅勤務の導入」(33.9%)、「時差出勤・フレックスタイム制の導入」(25.7%)などが続いた。また、新型コロナ拡大前から取り組んでいた働き方では、「ペーパーレス化の推進」(26.7%)や「インターネットによる受注・販売の強化」(21.5%)の割合が2割を超えていた。今後取り組む予定では、「ペーパーレス化の推進」(28.3%)が最も高い。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201005.pdf