上場企業の2020年年末賞与・一時金は2年連続減少

 労務行政研究所が、東証一部上場企業205社を対象に、「夏冬型」の年間協定ですでに決定している、2020年年末賞与・一時金の妥結水準を調査した結果、平均妥結水準は、全産業ベースで74万3968円、対前年同期比で▲3.2%減と2年連続の減少となった。同一企業でみた昨年末の妥結実績(76万8676円)に比べ、金額で2万4708円、対前年同期比で▲3.2%減と、2019年の▲0.1%減からマイナス幅が拡大した。

 平均支給月数は、210社の平均で2.40ヵ月。同一企業でみた場合、前年同期(2.49ヵ月)を0.09ヵ月下回った。個別企業の状況をみると、最低月数は前年同期と同様の1.00ヵ月だが、最高月数は4.53ヵ月で、前年同期(5.00ヵ月)を0.47ヵ月下回っている。また、製造業、非製造業別にみると、製造業(162社)は、平均妥結額が76万5281円で対前年同期比▲3.9%減、非製造業(43社)も同66万3669円で同▲0.2%減と、ともに減少した。

 業種別に対前年同期比上昇率をみると、製造業は「水産・食品」、「紙・パルプ」を除く11業種で減少、非製造業は6業種中3業種で増加した。平均妥結額を業種別にみると、「ガラス・土石」(9社)が88万1745円(対前年同期比▲4.1%減)で最も高く、次いで「情報・通信」(3社)85万2833円(同▲0.1%減)、「輸送用機械」(28社)84万1600円(同▲3.8%減)、「電気機械」(23社)83万5707円(同▲0.4%減)と続く。

 対して、最低は「商業」(21社)の54万9866円(対前年同期比▲2.1%減)、「紙・パルプ」(8社)61万3125円(同3.2%増)、「精密機械」(4社)が61万3372円(同▲5.0%減)。また、対前年同期比上昇率が最も高いのは「電力」(8社)の3.7%増(妥結額74万6454円)、次いで「紙・パルプ」の3.2%増と続く。対して、伸び率がマイナスでは、「機械」(18社)の▲11.5%減(同68万1075円)が最も大きくかった。

 近年の推移をみると、2014年に大手企業を中心とした業績改善を背景に4.6%増(妥結額70万9283円)と増加に転じ、以降、2015年3.7%増(同73万2888円)、2016年1.1%増(同71万8124円)と3年連続の増加。しかし、2017年に▲0.1%減(同71万2898円)と小幅ながら4年ぶりに減少、2018年は3.9%増(同75万3389円)、2019年は▲0.1%減(同74万7808円)と増減を繰り返し、2020年は▲3.2%減と2年連続のダウンとなった。

 同調査結果は↓

https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000078835.pdf