博報堂生活総合研究所は、新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今の生活者意識や行動について、首都圏・名古屋圏・阪神圏の20~69歳の男女1500名を対象に「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施した。調査結果によると、感染拡大以前の普段の状態を100点としたとき、現在の状況下における「生活自由度」が何点くらいかをきいたところ、58.3点となった。8月から4.0ポイントの上昇となった。
性別/年代別/エリア別、全セグメントで増加。感染者急増で生活抑制意識が高まった先月に比べ、8月下旬から感染者数も低下傾向となり、自治体の自粛要請も緩和を模索する報道が増加した。学校再開による子育て家庭の負担低下などの影響も考えられる。自由回答からは、「自粛生活にも慣れ」、「付き合い方ができてきた」、「感染対策をしていれば一定の行動はできる」という声が目立つ。
また、新型コロナ感染拡大に伴う不安や、抑制している行動、変化している行動など41項目について尋ねたところ、【不安度】は全項目で8月調査より減少。特に「行政への不安」(73.1%、9.8ポイント減)、「情報の不足や不確かさへの不安」(66.6%、6.1ポイント減)の減少が目立った。【行動抑制度】も、「不要不急の外出を控えている」(82.5%、6.3ポイント減)、「不要不急の買い物を控える」(74.4%、6.1ポイント減)など全項目で減少した。
【行動変化度】もほぼ全ての項目で減少。「時差通勤・時差通学をしている」(35.1%、6.6ポイント減)、「テレワークをしている」(28.7%、5.9ポイント減)などの減少が目立つ。その中で「マスク、手洗いなど感染対策の徹底」は92.8%(0.8ポイント減)と引き続き高止まりしている。感染対策に留意し、行動抑制の意向を引き続き持ちながらも、外出や買い物など、「外へ」の行動を始めた生活者像がうかがえる。
男女別でみると、【不安度】で男女差が大きいのは、「自分や家族の健康に不安を感じる」で女性75.2%、男性63.4%と11.8ポイント差。「情報の不足や不確かさに不安を感じる」は女性72.1%、男性61.2%で10.9ポイント差。【行動抑制度】では、「交友交際を控えている」女性86.4%、男性73.9%で12.5ポイント差。「体験型エンタメを控える」は女性85.1%、男性74.6%で10.5ポイント差となった。
同調査結果は↓