約9割の企業が「ウェブによる企業説明会等」を実施

 日本経団連が、会員企業を対象に6月26日から7月22日にかけて実施した「2021年度入社対象の新卒採用活動に関するアンケート調査」結果(有効回答数442社)によると、2020年度新卒採用活動の実施状況は「実施した・実施予定」が95.9%となり、新型コロナウイルス感染拡大により、多くの企業で業績の不透明感が増しているものの、ほとんどの企業で新卒採用活動を実施したことが分かった。

 また、88.4%と約9割の企業が「ウェブによる企業説明会等」を実施したほか、多くの企業が「企業紹介映像の作成・公開」(38.0%)や「配信企画等への参加」(31.8%)を実施するなど、対面型から非対面型へのシフト傾向が顕著だ。ウェブ活用については、遠方の学生がアプローチしやすいと考えている企業が多い一方、学生の企業理解や動機形成が進みにくいと考えている企業が多い。学生との接触回数や母集団形成については、評価が割れた。

 ウェブ面接については、9割超(92.9%)の企業が実施し、6割強(63.8%)の企業が最終面接を含めて全て活用した。ウェブ面接を実施した企業のうち、「対面の面接より学生の評価が難しい」と回答した企業は6割超(62.7%)。ウェブ面接のメリットとしては、ほとんどの企業が「物理的距離でハンディのある学生に対して有効」と回答。「交通費などのコスト減少」(81.4%)、「スケジュール調整のしやすさ」(74.0%)の回答割合も高い。

 一方、ウェブ面接のデメリットとしては、「細やかな表情等が把握しにくい」(83.7%)、「熱意等が伝わりにくい」(55.5%)といった評価面の指摘に加え、「通信環境の担保」(75.8%)、「ウェブ環境への適応度合いの差」(53.9%)といった実施環境に関する回答も多い。ウェブ面接導入に伴う業務量については、「減少する」と回答した企業(32.3%)が「増加する」と回答した企業(23.9%)を8.4ポイント上回った。

 採用スケジュールへの影響では、7月初旬時点において、採用活動を終了した企業は3割強(32.8%)。スケジュールを「計画どおり進めている」が4割強(44.6%)、「採用活動の進捗が遅れている」が5割(49.7%)。採用計画の人数は、約8割の企業が「当初計画どおり」と回答。採用計画の人数を減らした企業は2割弱(18.7%)。採用計画の人数を見直した理由は、「新型コロナによる業績への影響」と回答した企業が7割超(73.0%)だった。

 同調査結果は↓

https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/080.pdf