減少傾向にある一般労働者の総実労働時間~経団連

 日本経団連が会員企業等を対象に4月から6月にかけて実施した「労働時間等実態調査」結果(有効回答数491社)によると、一般労働者の総実労働時間は、全体・業種別(製造業 /非製造業)ともに減少傾向にあることが分かった。特に、2018年(年間平均2031時間)から2019年(同2000時間)にかけて大幅に減少した。その要因の一つとして、働き方改革関連法の施行があると考えられる。

 一般労働者の年平均の総実労働時間は、製造業が2018年の2014時間から2019年は1987時間に減少、非製造業も同2050時間から2014時間に減少。2019年は、企業全体でみると年間「1800時間未満」が8.6%、「1800時間~2000時間未満」が45.3%と、「2000 時間未満」が半数以上となった。特に、非製造業における年間「2400時間以上」の企業は、前年度割合の5.2%から2.4%へとの半分以下となった。

 一方、管理監督者の年間平均の総実労働時間についても、全体・業種別(製造業/非製造業)ともに減少傾向にある。特に、2018年(2044時間)から2019年(2022時間)にかけて大幅に減少。管理監督者の総実労働時間は全体・業種別ともに、2019年が最短となり、2019年は、企業全体でみると年間「2200時間未満」が80.7%と80%以上となった。ただし、管理監督者の総実労働時間(年間平均)は、一般労働者よりも長い傾向にある。

 時間外労働時間については、全体・業種別(製造業/非製造業)ともに減少傾向にある。特に、2018年(年間平均196時間)から2019年(同184時間)にかけて大幅に減少。その要因の一つとして、働き方改革関連法の施行(「時間外労働の上限規制の導入」大企業:2019年4月~、中小企業:2020年4月~)があると考えられる。時間外労働は年々減少傾向にあり、2019年は全体でみると年間「360時間未満」の企業が9割を占めた。

 また、年次有給休暇取得率は年々上昇しており、2019年の取得率は全体でみると71%(前年68%)と約7割を占めた。2019年は非製造業において年次有給休暇取得率の上昇率が高い(2018年の59%から2019年は63%)。その要因の一つとして、働き方改革関連法における「年5日の年休取得義務」の2019年4月からの施行があると考えられる。年次有給休暇取得率は、従業員数規模にかかわらず、増加傾向にある。

 同調査結果は↓

https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/081.pdf