帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は655件で、前月比は▲22.7%減、前年同月比でも▲2.1%減となり、3ヵ月ぶりに前年同月を下回った。業種別では、7業種中、卸売業や小売業、製造業など4業種で、また、地域別では、9地域中、北海道や関東など5地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。
一方、負債総額は694億1700万円(前月1048億100万円、前年同月837億2100万円)となり、前月比では▲33.8%の減少、前年同月比でも▲17.1%の減少となって、3ヵ月ぶりに前年同月を下回った。負債5億円未満の倒産が大半を占め、比較可能な2000年以降で2番目の低水準となった。負債額最大の倒産はFEP(株)(大阪府、破産)の約40億円だった。
倒産件数を業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を下回った。なかでも卸売業(88件)は、繊維・衣料品卸や機械器具卸が減少し、前年同月比12.9%減となった。また、2019年頃から増加傾向にあった小売業(157件、前年同月比2.5%減)は2ヵ月連続の減少。製造業(68件)では家具製造業などが減少に寄与し、前年同月比19.0%減となった。一方、サービス業など3業種は前年同月を上回った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は435件(前年同月比1.9%増)で、構成比は66.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が443件(同▲4.9%減)で構成比は67.6%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(119件)が構成比27.4%を占め最多、小売業(117件)が同26.9%で続く。
地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を下回った。なかでも北海道(11件)は、小売業などが減少し前年同月比▲45.0%減。関東(237件、前年同月比▲4.4%減)は茨城県、埼玉県で二ケタ減となり、業種別でも建設と不動産を除く5業種で減少となった。一方、中部(95件、同4.4%増)、近畿(183件、同2.2%増)、中国(30件、同50.0%増)、四国(8件、同33.3%増)の4地域は前年同月を上回った。