2020年度上期の中小企業向け貸出D.I.は大幅に上昇

 日本政策金融公庫が249の金融機関(都市銀行5、地方銀行64、第二地方銀行38、信用金庫120、信用組合22)を対象に4月に実施した「信用保証に関する金融機関アンケート調査」結果(有効回答数225金融機関)によると、中小企業向け貸出D.I.は、2020年度上期は、2019年度下期(1.7)から37.9ポイント増の39.6と大幅に上昇し、2013年度上期以降15期連続でプラスとなった。

 次期の2020年度下期は29.3と、プラス幅が大幅に縮小するものの、引き続き高水準の見込み。なお、中小企業向け貸出に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、「増加の影響」が93.9%と9割超を占める。資金使途別にみると、設備資金D.I.は▲7.7(前期0.7)と低下する一方、長期運転資金D.I.は42.8(同0.7)、短期運転資金D.I.は28.1(同0.0)とともに大幅に上昇している。

 信用保証付貸出D.I.は、62.1(前期▲5.2)と大幅に上昇し、18期ぶりにプラス。次期はプラス幅が大幅に縮小するものの、44.7と引き続き高水準の見込み。信用保証付貸出に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、「増加の影響」が96.3%と9割超を占める。信用保証付貸出における条件変更D.I.は、50.0(同▲3.1)と大幅に上昇し、16期ぶりにプラスとなった。次期はプラス幅が縮小するものの、42.8と引き続き高水準の見込み。

 なお、信用保証付貸出における条件変更に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、「増加の影響」が88.6%と約9割を占める。また、代位弁済D.I.は、21.7(前期3.5)と大幅に上昇し2期連続でプラス。次期はやや上昇し、24.0と引き続き高水準の見込み。代位弁済に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、「増加の影響」が60.3%と約6割となっているが、一方で「不明」も37.5%と3割を超えている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/shiyohosyo200629_1.pdf