法務局の自筆証書遺言書保管制度が7月10日スタート

 法務局での自筆証書遺言書保管制度が7月10日からスタートする。従来、自筆証書遺言は、公証人役場で保管する公正証書遺言のように公的機関で保管することができないため、自宅の金庫等で保管されることが多いことから、遺言書の紛失や、相続人による遺言書の廃棄・隠匿・改ざんが行われる恐れがあるなどの問題点があったが、2018年7月6日に成立した遺言書保管法により、法務局での保管ができるようになった。

 ただし、遺言書の保管の申請には、遺言書保管所(遺言者の住所地、本籍地、所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局)に対してあらかじめ予約することが必要となる。予約受付は7月1日から開始する。法務局手続案内予約サービスの専用ホームページの場合、24時間365日いつでも受け付けるが、法務局への電話や窓口での予約の場合は、平日の8時30分から17時15分までとなっている。

 申請手続きには、(1)遺言書、(2)申請書(法務省ホームページからダウンロード又は法務局窓口で入手し、あらかじめ記入)、(3)添付書類(本籍の記載のある住民票の写し等)、(4)本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)、(5)手数料(1通につき3900円)が必要となる。申請は、予約した日時に遺言者本人が法務局保管所に持参して行うことになっており、代理申請はできない。

 申請手続きが終了すると、遺言者の氏名、生年月日、遺言書保管所の名称と保管番号が記載された保管証が交付される。遺言者は、自分の遺言書を保管した遺言書保管所で遺言書の原本を閲覧できるほか、他の遺言書保管所でもモニターによる遺言書の画像の閲覧ができる。保管してある遺言書を撤回することは可能だが、遺言の内容を変更する場合は、新たな遺言書を作成して、再度保管の申請をすることになる。

 なお、遺言者の死亡後は、相続人、遺言執行者、受遺者、及びその親権者や成年後見人などの法定代理人は、遺言書が保管されているかどうかを確認することができる。確認は予約をした上で、遺言書保管所に遺言書保管事実証明書の交付を請求する。その際、遺言者の死亡を確認できる戸籍(除籍)謄本、請求者の住民票の写し、遺言者の相続人であることが確認できる戸籍謄本と、800円の収入印紙などが必要となる。

法務局における自筆証書遺言書保管制度については↓

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html