東京商工リサーチが発表した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」結果(有効回答数1万4537社)によると、企業活動への影響については、最多は「現時点ですでに影響が出ている」で78.7%、次いで、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が18.2%だった。規模別では、「現時点ですでに影響が出ている」は、大企業(資本金1億円以上)で85.2%、中小企業(同1億円未満・個人企業等)は77.4%。
産業別でみると、「すでに影響が出ている」の最高は「小売業」の85.3%。インバウンド減少に加え、国内の外出自粛、休業要請の影響が強く出ている。宿泊業や旅行業、飲食業を含む「サービス業他」は、83.8%。産業を細分化した業種別では、「すでに影響が出ている」が最も高かったのは、「飲食店」と「宿泊業」、「道路旅客運送業」で、それぞれ100%だった。インバウンドの消失、外出自粛の影響の大きさを改めて示している。
在宅勤務を「実施した」企業は、56.4%。規模別では、大企業の83.0%が「実施した」のに対し、中小企業では51.2%にとどまった。大企業と中小企業では、実施率に30ポイント以上の開きが出た。緊急事態宣言後も在宅勤務を継続するかについては、「する(予定含む)」は68.4%、「しない(予定含む)」は31.5%となった。規模別では、「しない(予定含む)」は大企業の23.4%に対し、中小企業は34.0%だった。
また、「すでに影響が出ている」と回答した約8割の企業の5月の売上について、前年同月を「100」とした場合、「100以上」の増収は、12.5%にとどまり、87.4%と9割近くが前年割れだった。国内で新型コロナ感染が拡大した2月以降では、最悪の結果となった。「50未満」(売上半減)は、大企業は14.2%に対し、中小企業は20.3%で、6.1ポイントの差がついた。中央値は全企業が70、大企業が80、中小企業が70だった。
政府の金融支援策の利用状況については、「利用した」と回答した企業は22.5%だった。前回調査の10.7%から11.8ポイント増加した。「利用した」企業を規模別でみると、大企業の「利用」は5.5%に対し、中小企業は25.7%と4社に1社に達した。業種では、「織物・衣服・身の回り品小売業」の66.6%が最も高く、以下、「道路旅客運送業」の59.5%、「飲食店」の58.5%、「宿泊業」の51.7%と続く。
同調査結果は↓