緊急事態宣言下の「生活自由度」100点満点で51.2点

 博報堂生活総合研究所が、首都圏・名古屋圏・阪神圏の20~69歳の男女1500名を対象に5月7~11日に実施した「新型コロナウイルスに関する生活者調査」結果によると、新型コロナウイルス影響下での「生活自由度」について、感染拡大以前の普段の状態を100点としたとき、全体では51.2点となり、4月から3.1ポイント減少した。緊急事態宣言の発令・延長が、自由度の低下に影響を及ぼしていそうだ。

 新型コロナウイルス影響下での意識や行動について、3~5月の時系列変化をみると、【不安度】は比較可能な全ての項目について、3月から4月にかけて増加し、4月から5月にかけて減少した。【行動抑制度】は3月から4月にかけて大幅に増加。4月から5月にかけてさらに増加し、全項目が90%前後となった。【行動変化度】は、比較可能な項目については3月から5月にかけて増加基調が続いている。

 特に「インターネット通販や出前を利用するようにしている」、「テレワークをするようにしている」は4月から5月にかけても大幅な伸びをみせている。4月から5月にかけての変化からは、総じて、新型コロナウイルスに対してただ不安を抱くのではなく、具体的な行動の抑制や変化を進めることで、困難に向き合い、新たな日常を送っていこうとする生活者の様子がうかがえる。

 新型コロナウイルス影響下での意識や行動について、【不安度】の項目の中では「経済の停滞に不安を感じる」が90.2%と最も高い数値となった。男女別では女性で不安度の高い項目が多くなっている。【行動抑制度】の項目は「不要不急の外出を控えている」を筆頭に全ての項目が90%前後の数値となっている。男女別では全項目で女性が高くなった。年代別・エリア別では比較的小幅な差にとどまっている。

【行動変化度】の項目は「感染対策を徹底するようにしている」が95.6%と最も高くなった。「ストリーミングサービスの利用」や「オンライン学習」、「オンラインの飲み会」など、オンライン/デジタルサービスの利用を中心に、多くの項目で若年層の数値が高齢層を上回った。また、「公共交通機関の利用を控え、自家用車で移動するようにしている」、「テレワークをするようにしている」については、エリアの差が比較的大きくなっている。

 なお、緊急事態宣言による自粛要請が解除されたら最初に何をしたいか(自由回答)では、国内外の旅行や百貨店・商業施設等での買い物、美容室、映画館など「行けなかった場所に行く」という回答や、友人や同居していない親類など「会えなかった人に会う」という回答が目立った。一方で、緊急事態宣言が解除されても、新型コロナの脅威が完全になくなっていないことから、「現状の生活を維持する」との声も挙がっている。

 同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2020/05/corona-release05.pdf