おひとりさま関連の13市場15分野の動向を調査

 矢野経済研究所はこのほど、国内のおひとりさまに関連する13市場15分野の動向を調査し、発表した。日本国内においては単身世帯数が増加し、いわゆる「お独りさま」が増えているほか、ライフスタイルの変化や趣味・嗜好の多様化などにより、一人で行動・消費することを好む「お一人さま」も増加している。その結果として、おひとりさまが市場の担い手となっている産業も数多く存在し、経済に与える影響も徐々に拡大している。 

​​ 2018年(年度)のおひとりさま関連市場では、15分野のうち12分野が成長した。金額規模の大きい分野は、「おひとりさま外食市場」(1人来店客の利用金額ベース)が前年度比3.6%増の7兆9133億円、「おひとりさま中食市場」(1人用購入客の利用金額ベース)の同2.8%増の7兆4000億円だった。前年からの成長率では、「おひとりさまカラオケ市場」が同21.6%増の450億円と最も高い成長率を示した。 

 また、2019年(年度)のおひとりさま関連市場を展望すると、15分野のうち13分野で成長の見込み。成長率(見込み)をみると、「セルフレジ市場」が前年度比14.3%増(129億6700万円)と二ケタ成長の見込みである一方、「終活関連の個人墓市場」(前年度比▲8.1%の756億1400万円)、「フィギュア市場」(同▲1.6%の3億500万円)の2市場は引き続きマイナス成長を見込む。 

 「セルフレジ市場」の二ケタ成長の背景には、大手小売チェーンの大規模なリプレイス(更新・代替)需要の継続がある。一方、「個人墓市場」は、需要拡大は続くものの、単価の低い埋葬様式への需要が高まっていることで、金額でみるとマイナス成長になるものとみている。また「フィギュア市場」も引き続き市場を押し上げるほどの人気コンテンツが現れていないことから、縮小基調を見込んでいる。 

​ おひとりさま市場全体としては、晩婚化や非婚化による単身者の増加、高齢化による単身世帯の増加などで、今後もいわゆる「お独りさま」が増加していく見込み。加えて、あらゆる業界で一人利用を対象としたサービスなどの提供も増えている。こうしたなか、独身・一人暮らしといった「おひとりさま」以外の人に関しても一人で消費、行動する傾向が高まっているため、今後もおひとりさま市場は拡大していくと予測している。 

 同調査結果は↓ 

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2418