帝国データバンクがこのほど発表した「2020年度の業績見通しに関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1330社)によると、2020年度の業績見通しは、「増収増益(見込み含む)」と回答した企業は13.5%となり、前回調査(2019年3月)の2019年度見通しから11.3ポイント減少した。一方、「減収減益(見込み)」は同22.6ポイント増の44.4%と倍増し、リーマンショック直後の2009年度見通し以来11年ぶりに4割を超えた。
また、東日本大震災があった2011年度見通し以来9年ぶりに「減収減益」が「増収増益」を上回ったほか、「減収」(「減収減益」、「減収増益」、「減収だが利益は前年度並み」の合計)を見込む企業は55.8%で前回調査から23.5ポイント増加など、2020年度の業績は厳しい見方をする企業が急増。他方、2019年度実績見込みも「増収増益」が23.0%、「減収減益」が33.7%となり、前回調査の2018年度実績見込みより大幅に悪化している。
2020年度の業績見通しを上振れさせる材料(複数回答)は、新型コロナウイルスの「感染症の収束」が43.3%でトップ。また、新型コロナウイルスにより外出自粛が続くなか、「個人消費の回復」(34.8%)が続き、前回調査より7.8ポイント増加。次いで、「公共事業の増加」(19.0%)、「中国経済の成長」(17.8%)、財政・金融政策や成長戦略、規制緩和などの「経済政策の拡大」(16.8%)、「人手不足の緩和」(15.2%)が続いている。
一方、2020年度の業績見通しを下振れさせる材料(複数回答)でも、「感染症の拡大」が62.0%で最も高く、「個人消費の一段の低迷」(40.7%)とともに、上振れ材料と同様の項目が上位となった。次いで、「中国経済の悪化」(35.2%)、「米国経済の悪化」(28.6%)、「所得の減少」(25.7%)、「東京五輪・パラリンピックの延期・中止」(25.2%)、さらに訪日外国人の減少にともなう「インバウンド需要の縮小」(19.8%)が続く。
なお、安倍政権による経済政策「アベノミクス」について、現在までのアベノミクスの成果を100点満点で評価した場合の評価は、前回調査より2.4ポイント評価を下げ、平均59.4点となり、同設問を開始した2015年以降で初めて60点を下回る結果となった。アベノミクスに対する規模別の評価は、「大企業」(61.7点)は60点台を維持したものの、「中小企業」(58.8点)と「小規模企業」(58.3点)はやや低位となった。
同調査結果は↓