中小企業庁がこのほど公表した「2019年中小企業実態基本調査(2018年度決算実績)」結果速報(有効回答数4万2636社)のなかから中小企業の事業承継に関する状況をみると、中小企業全体の社長(個人事業主)の年齢別の割合は、「60歳代」(30.0%)が最も大きく、次いで「70歳代」(27.5%)、「50歳代」(20.4%)の順だった。「80歳代以上」が7.6%おり、この結果、60歳代以上の割合が65.1%と6割半ばを占める。
また、産業大分類別にみると、60歳代以上の割合は、「不動産業、物品賃貸業」(72.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」(71.6%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(69.1%)、「小売業」(67.0%)などで大きく、特に「不動産業、物品賃貸業」は80歳代以上の社長の割合が15.8%と他業種に比べて大きくなっている。一方、50歳代以下の割合は、「情報通信業」(56.5%)、「建設業」(43.7%)などで大きい。
中小企業全体の社長(個人事業主)の就任経緯別の割合は、「創業者」(49.0%)が最も大きく、次いで「親族内での承継」(41.0%)の順。産業大分類別にみると、「創業者」の割合は、「学術研究、専門・技術サービス業」(70.8%)、「生活関連サービス業、「娯楽業」(69.3%)、「情報通信業」(66.7%)などで大きく、「親族内での承継」の割合は、「製造業」(55.2%)、「小売業」(55.1%)などで大きい。
中小企業全体の社長(個人事業主)の在任期間別の割合は、「30年以上」(35.8%)が最も大きく、次いで「10年~20年未満」(23.6%)、「20年~30年未満」(19.0%)の順となっており、「5年~10年未満」(11.1%)や「5年未満」(10.5%)は約1割に過ぎない。産業大分類別にみると、「30年以上」の割合は、「生活関連サービス業、娯楽業」(52.9%)が最も大きく、「10年~20年未満」の割合は、「情報通信業」(34.5%)が最も大きい。
中小企業全体の社長(個人事業主)における事業承継の意向別の割合は、「今はまだ事業承継について考えていない」(35.3%)、「現在の事業を継続するつもりはない」(28.2%)、「親族内承継を考えている」(26.6%)の順。産業大分類別にみると、「今はまだ事業承継について考えていない」の割合は、「情報通信業」(51.9%)が最も大きい。一方、「親族内承継を考えている」の割合は、「不動産業、物品賃貸業」(54.2%)が最も大きい。
同調査結果速報の要旨は↓
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200330005/20200330005-1.pdf