帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は634件で、前月比は11.1%減少したものの、前年同月比では2.3%の増加となり、6ヵ月連続で前年同月を上回った。業種別では、7業種中、製造業や小売業など4業種で、また、地域別では、9地域中、関東や九州などの4地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は663億7400万円(前月1172億5000万円、前年同月2181億5600万円)となり、前月比では43.4%の減少、前年同月比でも69.6%の大幅減少となった。2ヵ月連続で前年同月を下回り、2018年12月(負債757億3800万円)を下回り2000年以降最小となった。これは、前年同月にMT映像ディスプレイ(株)(負債約1050億円、大阪府、特別清算)の大型倒産が発生したことなどが要因。
倒産件数を業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも製造業(74件、前年同月比8.8%増)は、漁獲量減少による原材料費高騰が響いた水産加工などの飲食料品製造(19件、同46.2%増)が増加。消費税率引上げなど受け、小売業(152件、同6.3%増)では、高水準の倒産が続く飲食店(64件、同14.3%増)や、今シーズンの暖冬で秋冬物の販売不振もみられた衣料品小売(17件、同54.5%増)が増加した。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は404件(前年同月比4.9%増)で、構成比は63.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が433件(同4.1%増)で構成比は68.3%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(117件)が構成比29.0%を占め最多、サービス業(104件)が同25.7%で続く。
地域別にみると、9地域中4地域で前年同月を上回った。なかでも関東(233件、前年同月比14.8%増)は建設業、製造業などで増加。埼玉県を除く1都5県で増加し、件数全体を押し上げた。九州(52件、同20.9%増)では人件費や原材料費の負担増に加え、訪日観光客の落ち込みなどから、小売業(19件)の増加が目立った。一方、北海道(16件、同11.1%減)、東北(21件、同40.0%減)など、5地域は前年同月を下回った。
同倒産状況の概要は↓