中小企業成長促進法案が閣議決定、現通常国会に提出

 経済産業省は10日、「中小企業の事業承継の促進のための中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案(中小企業成長促進法案)」が閣議決定されたと発表した。同法案は、現在開会中の通常国会に提出される予定。近年、高齢化により多くの中小企業経営者の引退期が迫るなか、後継者候補が現経営者の経営者保証の存在を理由に承継を拒否するなど、経営者保証が事業承継の支障となる事態が生じている。

 そこで、中小企業による事業承継の円滑化を図るため、事業承継の障壁となっている経営者保証の解除に係る支援、経営力向上計画や地域経済牽引事業計画での事業承継支援、親族内承継に関する支援体制の整備等の措置を講ずるとともに、みなし中小企業者特例による中堅企業への成長環境の整備や、異分野連携新事業分野開拓計画等の整理・統合による各種計画制度の利便性の向上、中小企業の外国関係法人等に対する支援措置を拡充する。

 本法律案における主要な措置事項は、まず、経営者保証の解除支援として、経営者保証の存在が事業承継の障壁となっている中小企業が、承継時に経営者保証なしの債務に借り換えるにあたり、経営者保証を不要とする信用保証制度を追加する。また、中小企業が他の事業者から事業用資産等を取得して事業承継(第三者承継)するにあたり、経営者保証なしでM&A資金等を調達できるよう、信用保証制度を拡充する。

 次に、中堅企業への成長環境の整備として、中小企業者の円滑な事業拡大促進のため、地域経済牽引事業計画の承認を受けた中小企業が、事業拡大により中小企業者要件に該当しなくなっても、計画期間中は同計画による中小企業支援を継続する特例を措置する。また、中小企業者向け計画認定制度について、類似計画の簡素化や利便性向上のため、経営力向上計画、経営革新計画、地域経済牽引事業計画の3計画を中心とした施策への整理を行う。

 そのほか、海外展開支援の強化として、中小企業が海外における事業展開をより機動的に行えるようにするため、経営革新計画、経営力向上計画及び地域経済牽引事業計画の承認を受けた中小企業者について、その海外子会社が、日本政策金融公庫から直接融資を受けられる特例を措置する。なお、中小企業成長促進法案は、成立後、一部を除き、公布から6ヵ月以内に施行予定となっている。

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