消費意欲指数、3月としては過去最低水準の45.1点

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、3月の消費意欲指数は45.1点で、前月比は+3.7ポイント上昇したものの、前年比では-1.6ポイント低下し、3月としては過去最低水準となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比+5.5ポイント、前年比-0.8ポイントの26.0%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(3月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。季節の変わり目である3月は例年消費意欲が高まる月で、今年も消費意欲指数は前月から3.7ポイント上昇。特に買いたいもの・利用したいサービスがあるとの回答割合は前月比+5.5ポイントの26.0%となった。

 一方、前年との比較では指数は1.6ポイント低下し、3月としては過去最低値となった2018年と同水準の値となった。消費意欲指数の理由(自由回答)をみても、「季節の変わり目の買い物」や「春物の服が欲しい」といった季節消費への意欲に関する意見は前月からは増加したものの(20年2月50件→20年3月121件)、前年との比較では減少している(19年3月141件→20年3月121件)。

 「今月までに多く使った反動でセーブ」(19年3月73件→20年3月93件)、「他の予定や買い物のために控える」(19年3月24件→20年3月37件)といった意見も前年から増えており、買い控え意識が強まったことで、消費意欲が盛り上がりきらなかったようだ。「消費税増税のために消費を控えたい」という意見はここ数ヵ月減少してきていたが、若干ではあるものの再び増加(20年1月41件→20年2月23件→20年3月32件)した。

 このほか、「消費税が上がり、より倹約するようになった」といった増税による買い控えを感じさせる回答も散見される。また、新型コロナウイルス等の発生を受け、中高年層の女性を中心に「病気が流行しているので消費意欲が上がらない」という意見も挙がっている(計17件:うち男性5件、女性12件。前年同月は0件)。このように、消費税増税や新型コロナウイルスの流行も消費意欲に影響しているとみられている。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2020/02/202003.pdf