帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は713件で、前月比は0.8%増加し、前年同月比でも2.7%の増加となり、5ヵ月連続で前年同月を上回った。業種別では、7業種中、卸売業や小売業など4業種で、また、地域別では、9地域中、東北や中部などの4地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は1172億5000万円(前月1596億2200万円、前年同月1273億5600万円)となり、前月比では26.5%の減少、前年同月比でも32.0%%の大幅減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。これは、前年同月に(株)エメラルドグリーンクラブ(東京都、民事再生、負債約450億円)の大型倒産が発生したことなどが要因。負債トップは、(株)ヤマニシ(宮城県、会社更生)の約123億円。
倒産件数を業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。なかでも卸売業(122件、前年同月比19.6%増)は、昨年の天候不順や不漁に伴う仕入値の上昇が響き、青果・鮮魚卸などを中心に飲食料品卸(39件、同95.0%増)が増加。卸売業は7ヵ月連続の増加で、7ヵ月以上の連続増は、2008年9月~2009年4月(8ヵ月連続)以来。小売業(173件、同9.5%増)では、昨年に引き続き飲食店(75件、同50.0%増)の増加が目立った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は440件で、構成比は61.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が478件(前年同月比8.4%増)で構成比は67.0%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(127件)が構成比28.9%を占め最多、サービス業(113件)が同25.7%で続く。
地域別にみると、9地域中4地域で前年同月を上回った。なかでも東北(46件、前年同月比119.0%増)は復興需要の収束などを背景に、建設業のほか卸売業、小売業などで幅広く増加し、1月としては東日本大震災前の2011年1月(51件)以来となる40件超を記録。また、中部(98件、同6.5%増)は建設業(19件)や製造業(13件)などで増加した。一方、近畿(176件、同3.8%減)は7ヵカ月ぶりの前年同月比減少となった。
同倒産状況の概要は↓