博報堂生活総合研究所が全国20~69歳の男女を対象に実施した「お金に関する生活者意識調査」結果(有効回答数3600人)によると、紙幣や硬貨などの現金を使う必要がない「キャッシュレス社会」に将来「なったほうがよい」という賛成派は63.0%と多数となった。前回2017年調査では「なったほうがよい」が48.6%、「ならないほうがよい」が51.4%と、若干反対派が上回っていたが、今回の結果では賛成派が大きく増加している。
性別でみると、「なったほうがよい」との回答は、男性で69.2%(2017年調査では58.7%)、女性では56.8%(同38.5%)となった。前回の調査では男性で賛成派が、女性で反対派が多数だったが、今回は女性も賛成派が過半数となった。賛否それぞれの理由(自由回答)では、賛成では「利便性が高いから」、「楽だから・手軽だから」、「やりとりがスムーズだから」が、反対では「お金の感覚が麻痺しそうだから」、「浪費しそうだから」が上位を占めた。
最近2~3年の支払い手段の変化では、現金の利用が「増えている」が10.7%に対して、「減っている」が48.8%と、減少が増加を上回った。クレジットカードでは「増えている」が45.3%に対して「減っている」が6.2%、電子マネーでは「増えている」が37.3%に対して「減っている」が6.8%。現金利用が減少する一方で、クレジットカードや電子マネーの利用が増加しており、支払い手段のキャッシュレス化が進んでいる様子がうかがえる。
お金に関する意識では、「どこでもクレジットカード・電子マネーで決済できるなら、現金は持ち歩きたくない」が46.3%、「それでも現金は持ち歩きたい」が53.7%となった。2017年調査では「持ち歩きたくない」が40.2%、「持ち歩きたい」が59.8%だったが、「現金なしで生活したい」との意識が進んでいるようだ。性別でみると、「現金を持ち歩きたくない」は、男性が51.8%と半数を超え、女性は40.8%となった。
同様にお金の使い過ぎについては、「電子マネーで支払うほうがお金の使い過ぎを防げる」との回答が30.9%となったのに対して、「現金で支払うほうがお金の使い過ぎを防げる」が69.1%と約7割を占めた。2017年調査では「電子マネー」が24.5%、「現金」が75.5%だった。お金の使い過ぎに関して、電子マネーにポジティブな見方をする人が増加しているようだ。
同調査結果は↓
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2020/01/money2020.pdf