さらに進んだ若者のアルコール離れ~ニッセイ基礎研

 ニッセイ基礎研究所が発表した「さらに進んだ若者のアルコール離れ」と題したレポートによると、20代の4分の1は、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」という新潮流が生まれている。厚生労働省「国民健康栄養調査」によると、20~30代の男性の飲酒習慣率(週3日以上、1日1合以上飲酒する割合)は20年前と比べておよそ半分程度となり、もともと飲酒習慣率の低い20代女性では、現在、わずか3%となっているという。

 飲酒の頻度も低下しており、今の若者の半数程度は日頃からアルコールを飲んでおらず、このうち半数程度は飲めるけれど、ほとんど飲んでいない。米国のミレニアル世代を中心に、自分の身体や精神の健康のために、あえてアルコールを飲まない「ソーバーキュリアス」(Sober Curious)という新潮流が登場している。日本でも若者の4分の1程度に「ソーバーキュリアス」傾向があるとみられている。

 若者に「ソーバーキュリアス」傾向がみられ「若者のアルコール離れ」は進んでいるものの、若者では職場の「飲み会離れ」や「交流離れ」も生じているのかと言えば、必ずしもそうではない。新入社員を対象にした調査によると、上司を交えた飲み会や社内イベントへの参加意向は6割と高い。あくまでも、「飲みニュケーション」から離れているだけであり、職場の「コミュニケーション」から離れているわけではないようだ。

 一方、既存の酒造業や居酒屋等の外食産業の活路はどこにあるのかと言えば、まず挙げられるのは、越境EC(海外へ向けたインターネット販売)を通じた輸出である。国内では、薄く飲む層に向けたアプローチが挙げられるが、アルコールへの関心が高い層ではないため、アルコールという入口から考えるのではなく、ライフスタイルのどこにアルコールがはまるのかという視点が重要となると指摘している。

 同レポートは↓

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=63562&pno=2?site=nli