日本経団連が発表した「2019年6月度定期賃金調査」結果(有効回答数428社)によると、主な年齢ポイントでみた大学卒総合職(管理・事務・技術労働者)の標準者賃金は、「22歳」22万552円、「35歳」38万5907円、「45歳」53万1729円、「55歳」61万9882円となった。標準者賃金とは、学校卒業後直ちに入社し、引き続き在籍している従業員で、学歴や年齢などの設定条件の該当者の1ヵ月当たりの所定労働時間内賃金をいう。
学歴別に標準者賃金をみると、いずれの学歴においても、年齢・勤続年数が上がるにつれて金額が増加し、55歳でピークを迎えた後、役職定年などの影響によって、横ばい又は減少という賃金カーブとなっている。大学卒総合職では、役職登用時期に当たる35~40歳や40~45歳で増加額が大きく、それ以外の学歴では、25~30歳で増加額が最大となっており、若年層や子育て層など特定層の賃金を重点的に引き上げていることがうかがえる。
産業別の所定労働時間内賃金は、全産業平均が38万4127円、製造業平均が37万4679円、非製造業が40万1307円となり、非製造業平均が製造業平均を上回っている。所定労働時間外賃金は、製造業平均(5万5360円)と非製造業平均(5万5054円)はほぼ同水準となっており、所定内労働時間内賃金ほどの違いはみられない。業種別では、最多が「新聞・出版・印刷」の8万5円、最低が「繊維・衣服」の1万8253円だった。
規模別の平均賃金は、所定労働時間内賃金・所定労働時間外賃金ともに、従業員数が「3000人以上」の規模が最も高くなっている。また、役職者賃金(実在者)をみると、「部長(兼取締役)」が105万9370円(前年比+3万8756円)、「部長」が70万5753円(同+8537円)、「部次長」が60万8575円(同+7892円)、「課長」が53万8537円(同+3377円)、「係長」が40万6611円(同▲641円)となっている。
「部長(兼取締役)」が前年より大きく増加したのが目立つほか、「係長」を除く役職者の賃金が前年より増加している。部長の所定労働時間内賃金を100とした場合の役職間の賃金比率は、部長(取締役)が150.1と前年(146.4)よりやや増加したほかは、それ以外の役職ではほぼ同水準となっている。また、平均年齢と平均勤続年数は、いずれの役職においても、前年と比べて大きな変化はなかった。
同調査結果は↓