2019年4月1日に「働き方改革関連法」が施行され、一部の分野では2020年4月から中小企業が新たに適用対象となるなど、その範囲は順次拡大される予定となっている。帝国データバンクがこのほど発表した「働き方改革に対する企業の意識調査」結果(有効回答数:約1万社)によると、自社の「働き方改革」への取り組み状況については、「取り組んでいる」と回答した企業は60.4%となった。
前回調査(2018年8月)の37.5%から22.9 ポイント増となり、取り組んでいる企業の割合は大幅に増加。また、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」(16.3%)と合わせると76.7%にのぼり、4社に3社が働き方改革への取組みに積極的であることが分かった。一方、「以前取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」は2.0%、「取り組む予定はない」は8.9%で、合計10.9%の企業は働き方改革に消極的だった。
働き方改革への取組み状況について『積極的』(「取り組んでいる」、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」の合計)な企業の具体的内容(複数回答)は、「休日取得の推進」が77.2%でトップ、次いで「長時間労働の是正」が71.0%で続き、この2項目が突出して高くなっている。さらに、労務・人事面では「人材育成」(49.6%)や「健康管理の充実」(45.9%)なども高かった。
また、業務改善(生産性向上)に関しては、「業務の合理化や効率化のためのIT・機器・システムの導入」(43.6%)、経営・事業面では「職場風土づくり・意識の改善、コミュニケーションの活性化」(44.7%)などが4割を超えた。一方で、2020年4月から導入される同一労働同一賃金などの「非正規従業員の処遇改善」は22.9%。また、「副業の許可」は9.2%、「サテライトオフィスやテレワークの導入」は7.8%と低水準にとどまった。
働き方改革への取組みに関して、「以前取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」又は「取り組む予定はない」企業のその理由(複数回答)は、「必要性を感じない」が34.2%で最も高かった。さらに「効果を期待できない」(25.4%)が続き、働き方改革に取り組んでいない企業では、必要性や効果に懐疑的である様子がうかがえた。また、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」(22.4%)も上位となった。
同調査結果は↓