先行き懸念和らぎ改善した消費者心理~リサーチ総研

 リサーチ総研が消費者による今後1年間の見通し判断を調査した12月の消費者心理調査結果(有効回答数1151人)によると、前回10月はおよそ2人に1人が「悪化」を見通し、後退をみせていた景況感が改善となり、景気見通し指数も大きく上昇、持ち直している。また、物価「上昇」見通しは6月までの上昇懸念は急速に弱まっている。他方で、失業「不安」見通しは先行き不安がやや緩和。さらに、収入の先行きも改善が認められる。

 その結果、消費者心理は先行き懸念が和らいで、10月からかなり回復している。消費者の景気、雇用、収入、物価等に対する見通しの変化を反映した消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、12月は119となってこの1年では最も低く、前回10月の128からかなり改善が示されている。また、同指数が120を下回るのは18年12月(116)以来1年ぶりだが、これと比べると僅かだが悪い(高い)水準である。

 生活不安度指数のもととなる今後1年間の暮らし向きの見通しは、「良くなる」9.1%、「変わらない」56.8%、「悪くなる」22.3%。先行きの景況感は、「良くなる」7.9%、「変わらない」33.1%、「悪くなる」43.1%となり、消費者の景況感は、悪化の弱まりからやや持ち直しがうかがえる。この回答割合を指数化した12月の国内景気見通し指数は46となり、前回10月の32から上昇、2調査ぶりのプラスとなり、大きく改善している。

 雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」と答えた人は53.4%、「不安なし」は41.5%。10月調査と比べると、「不安」は減少、6月以来3調査ぶりのマイナスで、この1年で最も低くなった。収入の先行き見通は、「増える」人は14.2%、「変わらない」人は50.7%、「減る」人は23.5%。10月と比べると、「増える」は僅かにプラス、2調査ぶりの拡大。これに対して、反対の「減る」はマイナスで、この1年で最も低くなっている。

 物価の先行き見通しでは、「上昇」は57.3%、「変わらない」は26.9%、「下落」は1.8%。10月と比べて、「上昇」はかなり減少、3調査連続のマイナスで、17年2月以来2年10ヵ月ぶりで60%を下回る水準。一方、「下落」は微減。また、「変わらない」は3調査連続で増加し、18年8月以来に20%を上回り、4人に1人余りを占める。6月は物価の上昇圧力が高まっていたが、8月以降は連続して減少、急速に弱まっている。

 前回10月は、8月までの方向の定まらない状態から悪化へと向かっていた消費者心理だが、今回12月は反転、かなり回復がみられる。なお、今後1年間が商品等を購入するのに「良い時」か「悪い時」かについて尋ねた12月の購買態度指数は、10月と比べて、「不動産」(78→84)は5調査ぶりのプラス、「自動車」(79→87)と「耐久財」(86→96)は7調査ぶりのプラスといずれも改善。全ての指数が前年同月比ではマイナスの状態にある

 同調査結果は↓

http://www.research-soken.or.jp/reports/csi/247.html